スタートアップ領域ではSaaS系・大学発企業の動きが活発

最後に、スタートアップの採用動向について、水藤雄章コンサルタントに教えてもらいました。

ベンチャー領域全体として、活発な投資が行われており、採用活動も活発です。以前から引き続きニーズが高いのがSaaS分野(参考記事「2021年度下期の転職市場を占う(上)」)。創業フェーズだったSaaS企業が拡大期に入り、求人数自体が増えています。大手企業からSaaSベンチャーへの転職が増加しているのも最近の特徴。SaaS企業では大手企業を顧客とするケースも多く、大手企業の内情を理解している大手企業出身者へのニーズがあるのです。

SaaS事業にとどまらず、最先端技術で社会課題を解決するディープテック領域への投資も増加。一部の企業では研究開発も進み、商用化に向けたフェーズに入っています。「大学発ベンチャー」の立ち上げも活発化しています。教授が個人で立ち上げることもあれば、若手研究者が数人で立ち上げるケースもありますが、共通して求められるのが「バックオフィス」関連の職種です。

研究者が会社を立ち上げる場合、管理部門の経験がある人材はほとんどいないため、外部から迎えたいというニーズがあります。大学発ベンチャーによる採用は今後も増えていくと見込まれます。多くは地方に拠点があるため、UターンやIターンを考えているバックオフィス経験者は選択肢の一つに加えてもいいでしょう。

コロナ禍を機に、中途採用選考において「オンライン面接」の導入が進みました。企業側にも求職者側にも「移動の時間とコストが省ける」「遠隔地の人も応募しやすい」などのメリットがあり、1次面接や2次面接では今後も継続していく見込みです。U・Iターンを目指す人にとっても、転職活動がしやすくなり、面接を比較的気軽に受けやすくなっていると言えるでしょう。

不確実な時代の中で、コロナ禍がきっかけとなり、キャリアや人生を見つめ直した人は多くいます。「大手企業だから」という理由で転職先を選ぶ求職者は減ってきており、規模を問わず事業の将来性や経営者のビジョンを冷静に比較して判断する人が増えています。ベンチャーへの転職を前提としていない転職希望者でも、最終的にベンチャーを選ぶケースは以前よりも増えており、この傾向は今後も続いていくでしょう。

水藤雄章
リクルート HRエージェントDivision コンサルタント。リクルートキャリア(現リクルート)へ入社後は、半導体のハイキャリアのエンジニアを中心に転職活動を支援。2020年4月からディープテック・ハードテック系スタートアップ領域の専任。

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