製造業からスタートアップへ 転職事例を紹介

次に、製造業からスタートアップへの転職について虎井祐樹コンサルタントに話を聞きました。

製造業からベンチャーへ転職する流れも起きています。新しいテクノロジーを生かして製造業界向けの製品やサービスの開発・販売を手がけているベンチャーなどは、「販売先」である製造業の知見を求めています。そこで、製造業界からの転職者を迎え入れているのです。

その際に求められるのは、製造業においての幅広く深い知見です。そのため、経験豊富なミドル・シニア層も採用対象となっています。最近の事例では、完成車メーカーで事業開発を務めていたAさん(50代前半)が、人工知能(AI)ベンチャーの事業開発職に転職を果たしました。そのベンチャーでは自動車業界も対象顧客としているため、「顧客側の内情や課題」を理解しているAさんを迎え入れたのです。

「新しい事業に自身の知見を生かしたい」と考えたAさんに対し、「新たなキャリアを獲得したい」という動機で大手からベンチャーに転職したBさんの例を紹介しましょう。大手家電メーカーのエンジニア、Bさん(40代半ば)は、ある不満を抱いていました。生産技術職として、全社横断的にさまざまな部門の案件を手がけていたため、「軸となる技術が身に付かない」と悩んでいたのです。

ゼネラリスト的な働き方ではなく、スペシャリストを目指したい――。そう考えたBさんは「自身の軸となるもの」を探して転職活動を始めたのです。特定専門分野の技術を強みとするベンチャーに入社を決めました。

このほか、大手メーカーからベンチャーへの転職者からは、「工程の一部だけを担当するのではなく、全体を俯瞰して仕事がしたい。それによって経験の幅を広げたい」「より大きな裁量権を持って、自由度の高い環境で働きたい」といった理由が聞かれます。

虎井祐樹
リクルート HRエージェントDivision コンサルタント。リクルートキャリア(現リクルート)へ入社後は経営、事業企画、マーケティングなどのハイキャリア領域を担当。2020年4月からスタートアップ領域特化の立ち上げメンバーとしてコンサルタント職務に。

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