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女性だから家事や育児は当たり前、男性は外で稼ぐもの……。知らずと偏った見方をしてしまうアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)。これまで男性の上司などによる女性に対する偏見ととらえられてきたが、女性自身にも自らの活躍を阻む「思い込み」が潜んでいるのではないか。

キャリアを後回しにする女性たち 「無意識の思い込み」も

「もう少し子どもが大きくなれば、もっと自由にフルタイムで働きたいかな」。小学1年生と3歳、1歳の3人の子どもを持つ医師の41歳女性(東京都中央区在住)は週3日は正午か午後4時に仕事を終え、家事と育児を1人でほぼすべてこなす。

勤務医の夫の帰宅は遅く、「私の体調が悪くても休んで子どもの面倒を見てくれたことはない」。次男が長女と別の保育園になった時は、毎日片道1時間半かけて1人で送迎を続けた。

夫婦2人とも医師だが、家事や育児の分担について話し合ったことはなく「暗黙の了解で自分がするものだと思っていた」。夫の仕事を自分のキャリアより尊重し、自分が家庭を切り盛りすることに今も疑問は感じていない。家庭のために自分のキャリアが犠牲になるのは仕方ないと考えている。

従来、女性の昇進を阻むのは組織の上位にいけない「ガラスの天井」とされてきた。だが米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、そもそも女性は係長になる段階など昇進の第一ステップで足を踏み外し、なかなか上に登れない「壊れたはしご」が最大の障壁になっていると指摘する。そのベースには男性主体の組織のアンコンシャス・バイアスがあるとされている。

だが女性自身にも「夫には大黒柱でいてほしい」「子どもができたら育休を長く取るのは母である私であるべきだ」といったアンコンシャス・バイアスが、自らはしごを壊している面もありそうだ。

内閣府が2021年に実施した「性別による無意識の思い込み」調査によると、「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」と答えた女性は47%に上る。「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきではない」、「家事・育児は女性がすべきだ」という女性も2~3割いた。男女間での役割分業意識は女性の中にも根強い。

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