スープ・トッピング・辛さで、100万通り以上の組み合わせ

日本の「譚仔三哥米線」の25種類のトッピング。香港の店とは少しラインアップが異なる

同店のメニューには、伝統的な雲南の米線料理とは異なる大きな特徴がある。スープやトッピングがバラエティーに富み組み合わせが自由、辛さも変えられるのだ。スープは6種類、トッピングは25種類、辛さは10段階から選べ、「100万通り以上の組み合わせができる」のが売り。

店に行く度に違う味を楽しめることで客の心をつかみ、香港では男女を問わず幅広い年齢層のファンをつかんでいる。「特に20代の若者のリピート率がとても高い」と奥川さん。全体でも約7割の客が月2~6回来店しているそうだ。

6種類のスープには、「清湯(クリアスープ)」というベーシックなスープのほか、「麻辣(マーラー)」(花椒-ホアジャオ-のしびれと辛さが効いたもの)、「ウー辣(ウーラー)」(軽く焦がしたスパイスを使用)、「番茄湯(トマト)」、「酸辣(サンラー)」と「三哥酸辣(サムゴーサンラー)」(いずれも酸味と辛みのスープ)がある。

香港で一番人気のスープは「マーラー」で、このメニューでは辛さを増すと、花椒に由来するしびれも増す。同地では辛いものが得意ではない人が多いため、辛さの度合いは下から3番目(「5小辣」)が一番人気。マイルドな味わいの広東料理の本場だから、辛さに敏感なのだろう。ちなみに、日本では辛い料理が好きな人が多いので、一番辛い「特辣」もかなり出るそうだ。

スパイシーな「ウーラー」スープの米線。写真は並盛(610円)で、パクチーをトッピングしたが、これがよく合う

現地で人気の味を知りたいと、「マーラー」の「5小辣」を食べてみると、普段辛い料理に慣れ過ぎているせいだろう。しびれ、辛さははっきりと分からない。ただし、うまみがしっかりした鶏だしのような味わいで、香港発の店ならではのスープのように感じた。

もっとも、辛い物好きという奥川さんが、「最初に食べたときに、しびれに驚いた」と聞き、後日さらに辛さを増した米線にリベンジ。中間ぐらいの辛さの「マーラー」を食べてみると、辛さとしびれが効いた刺激的な味に変身。日本では、「マーラー」に加え「トマト」が非常に人気のようで、リベンジをした日に訪れた店では午後早い時間にもかかわらず、このスープが売り切れていた。こちらはトマトの酸味だけでなくこっくりとした甘みも感じる独特の味わいだ。

小皿料理の「黒きくらげ ピリ辛胡麻ソース」(250円)。ピリリと辛みが効いていて、トッピングにしてもおいしそうな一品

香港のトップヌードルチェーンである同店のスープのレシピは、秘伝中の秘伝。花椒以外にスープの材料について奥川さんに聞くと、「レシピはトップシークレットで、内容を知る人は非常に限られています。私も全く知らないんです」と困った顔をされてしまった。

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「香港レモンティーサワー」は日本の店オリジナル