選考方法に3つの変化

――人材像の変化に合わせて、選考方法に変化は表れていますか。

「3つの変化が出ています。1つは、オンライン環境でのコミュニケーション力をみるための実務試験が課されることがあります。例えば、実際の業務さながらにチャットで課題が出され、制限時間内で社員に連絡や質問をしながら仕上げるといったものです。自分から質問をして方向性を確認しながら仕事を進められるかが見られています」

「2つ目は今まで以上に人間性や人物像を確認するようになっています。性格適性検査の数を増やす、判断軸や行動基準が分かる検査に変更するといった動きが見られます」

「面接では過去の意思決定時の判断基準を子供の頃にまでさかのぼって聞くこともあります。これも、先に説明した『企業と価値観を共有できるか』を見ているのでしょう。具体的には『子供の頃から社会貢献に興味があり、それを実現できる学部や仕事を選んできた』といったエピソードを話せるかどうか」

KEY ROLEの兼吉ともこ社長

「マーケティング職を志望する理由を尋ねられ、『大学で心理学を学んでいた』と答えた場合、さらに学部の選択理由を深掘りされます。過去を振り返る中で選択の判断基準に一貫性があるかをみて、『本質的に我が社に合うか』を確認しています」

「現職の職場の上司や同僚に経歴や仕事ぶりを確認する『リファレンスチェック』が増えていることも挙げられます。以前は一部の企業のみで行われていましたが、IT企業を中心に導入が広がっています。転職時の選考ではリファレンスチェックがあると思って、現職の仕事に取り組んだ方がいいでしょう」

――初めての転職での注意点を教えてください。

「1つ目は、『現職ではダメなのか』を自分に問うことです。キャリア相談で過去の転職について尋ねると、約半数の人が『考えが浅かった、1社目でそのまま働いていればよかった』と答えます」

「若いうちは自分がやりたいことと適性が一致しないこともあります。営業職を希望していても、転職するたびに総務や営業サポートに配属され、自分は後方支援業務のほうが向いていると気づくようなケースです。やりたい仕事を追って、数年で2~3社など短い間に転職を繰り返してしまうと、ネガティブに受け取る企業も多いので注意しましょう」

「2つ目は、転職先を検討する際に、業務内容や給与だけでなく、働き方や社風をよく確認することです。憧れや思い込みだけで転職先を決めるのではなく、自分が何を求め、どう活躍したいのかを考えてください」

「具体的には出社と在宅勤務のバランスやコミュニケーションの取り方、仕事はミーティングで目標をそろえてから進めるのか、全く自由なのかなど。社風については、職場の動画を公開していたり、採用イベントを行っていたり、社員とカジュアルに話せる場を設けていたりする企業もあります。多方面から会社・社員の雰囲気を見て、自分と価値観が合うかどうかを確認しましょう」

「3つ目は、何のために転職するのかという軸を見失わないことです。若手人材は可能性が多い分、様々なエージェントから多数の求人を紹介され、多い人なら1日に何十件もスカウトメールが来ることもあります。視野を広げられる半面、情報の多さに惑わされ、転職の目的が分からなくなる人もいます。転職したものの、入社後に『実現したい仕事や働き方ではなかった』と気づくのはもったいないです」

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