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損保ジャパン大学の運営にかかわる市川純さん(左)と高田剛毅さん(右)

損保ジャパン大学の運営にかかわる市川純さん(左)と高田剛毅さん(右)

企業が社員のリスキリングを促す場として「企業内大学」を設置する事例が相次いでいる。変化の激しい時代に、社員が新たなスキルを習得する学びの場は、どのように運営されているのか。第4回は、損害保険ジャパンが2020年に設立した「損保ジャパン大学」を取り上げる。

「人的資本経営」が注目される中、同社は「社員の幸せや働きがい」こそが、イノベーションや会社の成長・ミッション実現の源泉だと位置付ける。前編では、損保ジャパン大学の運営に関わっている人事部人事開発グループの高田剛毅さんと市川純さんに、人的資本経営と大学設立の関係やプログラムの内容について聞く。後編には、同大学での学びをきっかけに新たなキャリアに挑戦している社員が登場する。

――損保ジャパン大学はコロナ禍でスタートしたそうですね。

高田:20年10月に設立しました。もともと18年から企業文化の変革、19年からは経営のど真ん中に人材育成を置いていたんです。背景には、昔ながらの会社にとどまったままでは、社会環境やキャリアを含め個人の意識や価値観がこれだけ大きく変化する中では、持続的な成長は望めないという危機感がありました。従来の集合研修はインプット中心で社員は受け身で参加していましたし、場所や時間に制約もありました。さらにコロナ禍で、集合型研修が難しくなり、社員同士の横のつながりも見えにくくなるという新たな状況が加わりました。

そうした中で、一人ひとりの社員が、この会社にいると自分が成長できる、自分がなりたい自分になれると感じられる会社を目指すという方向性が固まっていきました。成長には学びは欠かせません。社員が学び、考え、行動し、成長し続ける。それが組織の成長、会社の成長、社会への貢献にもつながっていく。そのサイクルを作る基盤として、損保ジャパン大学の設立が決まりました。

「社員の幸せや働きがい」が全てのベース

――「人的資本経営」は多くの企業にとって旬のテーマです。今年、役員37人抜きの社長就任が話題になった白川儀一社長も「最も大事なのは人だ」と強調していますね。

高田:はい。当社は21年度から始まった3か年の中期経営計画でも、冒頭に「社員の幸せや働きがいをベースに、安心安全の領域で新たな商品・サービスを作り出し、社会に貢献していく」と書かれています。

この打ち出しは社員にとっても衝撃でした。これまでであれば、株主や社会やお客様のために、といった言葉がくるのが普通でした。それが「社員の幸せや働きがい」という言葉が真っ先に入っていた。インパクトは強烈でしたね。

市川:私自身も、「自分たちは大切にしてもらっている。会社から信頼を預けてもらっているんだ」ととてもポジティブな気持ちになりました。社員と会社は「選び、選ばれる関係」であることが明確な形で示されたと思います。

――損保ジャパン大学には、どんなプログラムがあるのですか。

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