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京葉銀行システム部 西出友樹さん

京葉銀行システム部 西出友樹さん

新たなスキルを身につけて自分らしい働き方を再発見した人から、リスキリングのヒントを聞く連載「my リスキリングストーリー」。今回は、文系出身の銀行マンながらシステム開発のプロジェクトに自ら手を挙げ、難関のIT系国家資格も取得。今ではシステム開発の中核メンバーとして活躍する、京葉銀行システム部次世代システム開発室課長代理の西出友樹さん(37)です。

明治大学法学部を卒業した西出さんは2009年、地域に根ざした仕事をしたいと考え、地元千葉県を拠点とする京葉銀行に入行した。中小企業向け融資や住宅ローンを中心とする個人向け融資の営業を担当し、やりがいを感じていたが、入行から5年余りたったある日、ふと行内公募に目が止まった。「次世代勘定系システムの開発プロジェクト参加者を募集」とあった。

「ちょうど30歳になる頃で、何か新しいことに挑戦してみたいと思っていたタイミングでした。勘定系システムは預金から融資、為替まであらゆる取引を管理している銀行の中枢システムです。その開発プロジェクトに関わることで、自分の部署だけでなく銀行全体の構造をもっと深く知ることができれば、これからこの会社で頑張っていく上でも有益だろうと考えました」

◆文系だからと尻込みせず、チャンスに自ら飛び込む

とはいえ、文系出身でプログラミングなどITの専門知識はゼロ。普通なら尻込みしそうだが、西出さんは自分なりに調べてみた。その結果、システム開発では、業務内容を理解した上で何をどうシステム化すべきなのか要件定義にまとめ、設計に落とし込んでいくプロセスがあり、そこでは必ずしもプログラミングの知識は問われないとわかった。

融資業務では、財務の専門知識や決算書の読み方について、社内研修以外に自分で本を買って読んだり、大学の社会人向け講座に足を運んだりして勉強してきた。ITも、同じような姿勢で臨めばなんとかなるはず――。

ところがその決心を上司に伝えると、「随分とっぴな気がするけど、大丈夫?」と心配された。文系の銀行員の場合、営業で成績を上げ、まずは支店長になり、実績が認められれば役員に、というのが王道のキャリアパス。過去にも行内で営業からシステム開発に自ら手を挙げて異動するケースはなかったからだ。

「ただ、今回の開発プロジェクトはめったにない規模で、前回大幅にシステムが変わったのが20年前ですから、今を逃すと次はまた20年後かもしれない。だからチャンスを無駄にしたくないという思いを伝えたところ、上司も『そこまで言うなら、頑張ってみたら』と背中を押してくれました」

プロジェクトに加わると、早速ハードルが待ち構えていた。システムを組み上げていくベンダー(システム開発会社)から分厚い設計書を渡され「何か変更があれば申し出てください」と言われても、そこに書かれている専門用語や図の意味がさっぱりわからない。もちろん行内システム部の担当者に聞くことはできるが、やはり体系的に知識を学ぶ必要性を痛感した。プロジェクトに応募すると同時に、情報処理技術の国家資格「ITパスポート」の勉強は始めていたが、さらに上位の資格もとりながら学んでいこうと腹をくくった。

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