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開かれた国立競技場が陸上ファンの獲得につながる

前回(有森裕子 陸上の魅力をいかに伝えるかを深く考えた)、陸上競技のファンを増やすにはどうすればいいか、という話題に触れましたが、多くの人に陸上競技の大会に足を運んでもらう機会を1つでも2つでも生み出したいと願うなかで、国立競技場で世界陸上が開催されることは大きなチャンスです。そして、世界陸上以外でも、普段から一般の方々と国立競技場の距離がもっと近くなるような施策があればいいなと感じます。

例えば、旧国立競技場がそうだったように、一般の人が有料で競技場内を走れる日を設けたり、ウエイトルームを設置したりして、日常的に東京のみならず全国の人に開放してもらえたらいいのにと思います。人々の日々の健康のために国立競技場が使えるようになれば、陸上がもっと身近な存在になり、陸上競技を観戦しようと思ってふらっと足を運んでくれる人が増えるのではないかと思うのです。

今年5月に開催された陸上日本選手権では、1万メートルの競技は大阪ではなく国立競技場で行われました。その際、チケットの種類によって入れるエリアとそうでないエリアがあったと聞きました。以前の国立競技場のように観戦中は競技場のどこにでも行き来できるようにし、いろいろなエリアで行われている競技を見て、陸上の面白さをもっと体感できるような状況にしたほうがいいように思います。より開放的にすることで、ファンの獲得につながるのではないかとも思うのです。

もちろんさまざまな事情があると思いますが、多くの人々から愛される、開かれた国立競技場を目指して、2025年の世界陸上を多くの人たちから歓迎される状態にしていく努力が大切のような気がします。皆さんはどう思われますか?

(まとめ 高島三幸=ライター)

[日経Gooday2022年7月28日付記事を再構成]

有森裕子さん
元マラソンランナー(五輪メダリスト)。966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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