元ヤフー社長が挑む都庁DX、5つのレス化を加速東京都の宮坂副知事インタビュー(上)

デジタル化を推進する東京都の宮坂副知事 

民間企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)化を次々進めるなか、国や自治体は大きく出遅れている。元ヤフー社長で、東京都の宮坂学副知事は都のDX推進役を担う。「お堅い公務員」の意識を変え、リスキリング(学び直し)してDX化するのは至難の業。予算規模15兆円の巨大自治体は変われるのか。

宮坂副知事のインタビュー(下)はこちら

都庁もフリーアドレス化、「社内営業」で都幹部から意識改革

――国や自治体もDX化に舵を切りましたが、東京都はいつから本格的にスタートしたのですか。

「これまでも行政は20年以上にわたってデジタル化を進めてきました。自分は2019年に小池知事から東京都のDXをやってほしいといわれて副知事になりました。就任の年はまず都庁の各局で何でもいいからデジタルの事業をやろうと声をかけましたが、DXへの取組が本格化したのは、コロナ禍になってからだと思います」。

――元ヤフーの社長が副知事に転身するなんて驚きました。IT大手のトップが自治体のCIO(最高情報責任者)になった初めての事例です。しかし、巨大都市、東京のDX化は簡単じゃないでしょうね。

「確かに大変だけど、この3年で都庁職員の意識や職場の雰囲気も相当変わったと思います。例えば、この本庁舎の各フロアでは、フリーアドレス化など、『自分たちのオフィスは自分たちで作る』をコンセプトに未来型オフィスの取組を行っています」。

――確かに宮坂さんの服装も自由でラフな感じで、IT企業風ですね。しかし、一般に公務員は新しい業務には慎重で、デジタルが苦手という人が少なくない。中高年になると、今さらリスキリングなんてしたくないと、DX化に消極的な職員が多かったのでは。

「都庁には約4万人の職員がいます。知事はデジタル化の重要性をよく理解してくれているので、自分は局長クラスの幹部層の意識改革に奔走しました。予算編成前に全局長の部屋を訪ね、説いて歩きました。この局の場合、ここをデジタル化すれば、もっと生産性が上がるのではと一人ひとりと話しました。『社内営業』のようなものです」。

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