
スーツスタイルでは手元をドレスアップさせることだけがセオリーではない。時にはハズシの1本を、そして時には個性を思いっきり主張するのも一手だ。今回は2021年の下半期に発表された時計を中心にスーツとジャケットに合わせたい時計をテイスト別に選択。正統を歩むか、あえて攻めるか―。自身の好みに合う1本を見つけてほしい。
JACKET × シンプル顔
秋冬のビジネスシーンに欠かせないジャケットだが、オンを意識したシーンで合わせる時計は程よく控えめなほうがバランスは良い。だが、スーツと異なり、多少の遊びが許されるのもジャケットスタイルならでは。手元のさりげない演出とこだわりが個性を表現するにはもってこいだ。ここでは、シンプルながらひとひねり効いた時計をご紹介。
光で波打つディープブルーの豊かな表情
■GRAND SEIKO(グランドセイコー)
SLGA007
スプリングドライブを組み立てる「信州 時の匠工房」の東南に位置する諏訪湖。ダイヤルはその柔らかな水面の様子に想を得た。グランドセイコーのヘリテージコレクションらしい端正な顔つきの中に描かれたさざ波が、絶妙な立体感を醸し出す。ボタンダウンにニットタイというスポーティーな要素を取り入れたスタイルに精悍(せいかん)な印象を添えてくれる。最新のスプリングドライブ「キャリバー9RA2」を搭載。約5日間パワーリザーブ。径40mm。SSケース&ブレスレット。世界限定2021本。12月10日発売予定。99万円(セイコーウオッチお客様相談室)

都会的な印象を醸し出すアルティメイトグレーダイヤル
■BAUME & MERCIER(ボーム&メルシエ)
クラシマ
ブランドを代表するクラシック顔にサンサテン仕上げのグレーダイヤルが新色として登場。シンプルなたたずまいながらモダンな色合いで、昨今のモノトーンを基調としたファッションのトレンドともリンクして楽しめる。インターチェンジャブル機能を搭載したブルーのキャンバスストラップが抜け感演出にも一役買っている。径42mm。自動巻き。パワーリザーブは38時間。SSケース。21万4500円(ボーム&メルシエ)

オリジナルを忠実に復刻したレトロ顔
■LONGINES(ロンジン)
ロンジン シルバーアロー
1950年代にロンジンが発表した「シルバーアロー」を復刻。当時モータースポーツ業界を席巻した名車がその名の由来だ。シンプルな3針で、オリジナルを忠実に再現。シルバーカラーのオパーリンダイヤルが程よいレトロ感を醸し出す。クラシカルな雰囲気ながら、パワーリザーブは約72時間。オリジナルの自動巻きキャリバーL888.5を搭載する。径38.5mm。SSケース。カーフストラップ。26万4000円(ロンジン)


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