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TCSのサイバーセキュリティ本部の会議風景(中央の女性は清水さん、その右手の男性は酒寄さん)

TCSのサイバーセキュリティ本部の会議風景(中央の女性は清水さん、その右手の男性は酒寄さん)

ITサービス大手のタタコンサルタンシーサービス(TCS)。インドのタタ財閥傘下のTCSは、全世界に実に61万人の社員を擁し、米アクセンチュアやIBMに次ぐグローバルITサービス企業に成長している。日本法人の日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)もグローバル標準のジョブ型雇用を導入、新卒・中途採用を拡大している。グローバルIT企業は、どのようにエンジニアの人材教育・育成にあたっているのか。

エンジニアと無縁、語学留学中にITの道へ

「サイバーセキュリティーのプロが求められる時代が来る」。2022年7月に日本TCSに中途入社した清水さやかさんがITセキュリティー人材への道を志したのはカナダ留学中のことだった。中央大学文学部を卒業した清水さんは、新卒で証券やITマーケティングの仕事をした後、英語力を磨きたいとカナダのトロントで8カ月間の語学留学に踏み切った。

ITエンジニアとは無縁だったが、「やはり手に職。将来を考えて新たなスキルを習得しよう」と語学学校に次いでトロントにあるビジネス関係のカレッジに進んだ。デジタルマーケティングなどIT分野でも様々な職種養成コースがある中、「セキュリティーの重要性が今後高まるにちがいない」と考え、1年間、ここで座学やインターンを経験した。

清水さんの予測はすぐに的中した。留学中の22年3月、トヨタ自動車の主要サプライヤーがサイバー攻撃を受けて,トヨタの国内全工場が一時停止するなど産業界全体に激震が走った。続く10月には大阪の中核病院がサイバー攻撃を受け、通常診療の停止を余儀なくされた。今や情報システムは産業や医療などを支える社会インフラだが、圧倒的にサイバーセキュリティー人材が足りない。

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