日経エンタテインメント!

kZmさんの時は、ワールドに入ると島に上陸するところからスタート。1周約2分で回遊できる狭めの島にすることで、ライブ前にファン同士でコミュニケーションを取れるようにしました。RADWIMPSさんは昨年12月と今年7月に、「SHIN SEKAI」と題したバーチャルライブを開催。コロナを経て、新世界へ向かっていってほしいというメンバーの思いを込めたものでした。昨年12月は、最初シェルターから始まり、荒廃した街を抜け、大きな塔の先にある島でライブを行いました。先月のライブでは、より多様な技術や表現を使って、VARPならではのものとなりました。

RADWIMPSが昨年12月に開催したバーチャルライブ「SHIN SEKAI」では、『前前前世』などが披露された

――昨年12月の『ジャンプ』ファンが集う無料オンラインイベント「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」も面白かったです。

予想以上の来場者数となり、グッズのEC売り上げも好調で、ビジネス的にも大成功。改めて一定のファンを持つイベントやブランドの、メタバースを使ったビジネスの可能性を実感しましたね。

今後の課題はリアルとの連動です。5G回線の普及やさらなる技術革新で、実際に行っている人と行ってない人がシームレスにつながる仕組みが充実していけば、より多くの人にとって、楽しみもチャンスも広がっていくのではないかと思っています。

スズキの視点

「VARP」の一連の取り組みを聞いて、さすがPARTYだと感じたのは「身体性」「共時性」という側面から、メタバースの価値を引き出そうとしているところです。一般的にメタバースは、「ライブがデジタルに置き換わったもの」として捉えられがちですが、メタバースならではの体験を機能面と同時に設計すれば、グローバルなコミュニティーを一堂に集め、リアルでは不可能な感動を届けることが可能になります。チケットやECといったマネタイズも順調のようですし、今後の展開がすごく楽しみです。

鈴木貴歩
ParadeAll代表取締役。“エンターテック”というビジョンを掲げ、エンターテインメントとテクノロジーの幸せな結びつきを加速させる、エンターテック・アクセラレーター。エンターテインメントやテクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援などを行っている。

(構成 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年9月号の記事を再構成]