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「お金持ちになりたい!」 子どもの質問どう答える?

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「将来、お金持ちになりたい! どうしたらいいの?」。お子さんから、そんな風に聞かれたら、どう答えますか。

「それなら、いい大学を出て、有名な会社に入りなさい」。大人はついそんな風に答えがち。「勉強をがんばって、お医者さんや弁護士さんを目指そうね」「好きなサッカーをとことんがんばってみたら。メッシを見てごらん。その道の『プロ』になって活躍できたら〇億円という年俸だって夢じゃないよ」――。

確かに、こうした答えはそれなりに一理あるのかもしれません。ただ、いずれも「そうなったら」という仮定に基づく提案であるのは、否めないところです。もう一つ、気がかりな点があります。収入がある程度あれば、それだけで「お金持ち」といえるのでしょうか。

実はこの質問、答えるのが結構難しいのではないかと思います。果たして、お金持ちになる方法というのはあるのでしょうか。

「お金持ち」ってどういう人? 子どもが知らない現実

ここでちょっと考えたいのです。「お金持ちになりたい」というとき、子どもたちが抱いている「お金持ち」のイメージとは、どういうものでしょうか。

我が家では6人の子を育ててきました。以前、「お金持ちになって自分だけの部屋が欲しい」という子どもたちに、彼ら彼女らが抱くお金持ちのイメージを聞いてみたことがあります。戻ってきたのは「ブランドの服をたくさん買えること」「よく海外旅行に出かけている人」といった答え。答えの内容は、お子さんの年齢によっても変わってくるでしょう。ただ、義務教育までの年代だと、贅沢(ぜいたく)なモノを買ったり余暇を楽しんだりしている人を「お金持ち」と捉えるようです。

ここで質問です。そうした人は本当に「お金持ち」といえるのでしょうか。 

家計再生コンサルタントである私は、20年以上前から様々なご家庭の家計の悩みを聞いてきました。中には年収1000万円、2000万円といったご家庭からのご相談もあります。それだけ年収があると聞けば、裕福そうに感じますよね。ですが、統計的に高収入に入る世帯の方であっても、貯金があまりないという方も実はいらっしゃいます。収入の大きさに合わせていつしか支出も大きくなってしまい、貯金するお金が残らなかったということのようです。

逆に、収入がさほど多くはなくても、支出をしっかりコントロールしている人は、お金が残るので貯金できます。着実にお金をためていくことで次第に貯金の額が大きくなり、「お金持ち」になっていくのです。フローとストックという言葉があるように、仮にフローが大きくても、ストック(資産)までみなければ、本当にお金持ちなのかどうかは見極めがつかないように思います。

大人もそうかもしれませんが、子どもは特に、こうした「見かけ」と「現実」の違いを理解できません。「羽振りがよい」という言葉ではないですが、高級品を身にまとっているなど見た目や行動から、それだけで「お金持ちなのだ」と単純に判断し、いいなと思ってしまいます。

もしかしたら、そのお金の出所は消費者金融で実は家計は火の車、という場合もあるかもしれません。けれど、その人の大まかな収入や暮らしぶりを想像する力を持ち合わせていないのです。冒頭の質問に私が答えるならば、まずは「お金について自分自身でいろいろ考えてみよう」と提案するように思います。

「自分軸」で支出に優先順位をつける

これまでの経験から申し上げます。お金持ちの方はたいてい、自分流のお金のビジョン、言い換えれば「自分軸」を持っていらっしゃいます。

言い換えれば、ご自身の収入に限りがあることを理解し、そのなかで支出を収めるため、自分軸に照らしながら優先順位をつける形でお金を使っていくのです。あれもこれもと欲しいモノややりたいことなどに欲望のままにお金を使うのとは異なり、計画的な使い方をしている方が多いです。

このお金の自分軸は、自分で考えることでしか得られないものです。「自分にとって、お金を使うべき、大切なこととはどういうことだろうか」「自分が目指したい生き方は」と自問自答し、どうすればそこに行き着けるかを考えた先に見えてくるもの、ともいえます。子どもにはとても難しいことですし、大人でも自分の軸を即答できる人は少数派でしょう。

家族会議でお金について考えるトレーニング

ただ、子どものうちから、少しずつ準備していくことはできます。何事も経験なり。お金について考えるトレーニングをしていくのです。

我が家では月に1度「家族マネー会議」を開き、お金について家族全員で話し合っています。収入、支出、貯金、やりたいこと、欲しいもの。こういったことをお互いにシェアしながら、支出にムダはなかったか突っ込みを入れてみたり、お金を使ってやりたいことや欲しいものについて説明したりするのです。

特に、やりたいこと、欲しいものになると、子どもたちは自分の願いをかなえようと必死に考えてアピールします。というのも、「なぜそれが欲しいのか、やりたいのか」を親やきょうだいにしっかり伝えられないと、却下されてしまうからです。それを手に入れたらどんなプラスがあるのか、目標とするところはどこなのか。かつて6人の子の多くが小学生だった時期でも、非常にシビアに話し合っていました。

「途中でやめちゃうんじゃないの? それなら意味ないじゃん」「その程度の目標なら、お金がもったいないよ」など、子どもたちは自分のことなら親やきょうだいに甘く認めてほしいのに、他の子については意外に厳しく意見を出していました。

そんな風に突っ込まれながら、考えることを続けていくと、お金を使って手にすることができるのは、やりたいことではなくその先にあるものなのだということに気が付いていくようです。家族会議に参加して1年、2年たつと、子どもたちは「やるか、やらないか」ではなく「それをすることで、どうなるか」に焦点を当てて話し合うようになっていきます。面白いものですね。

実は、こうしたトレーニングが、自分軸の形成につながっていきます。お金の使い方に対する自分の考えが、しっかりしてくるのです。

お金持ちは収入の多寡で決まるものではない

お金持ちになれるかどうかは、収入の多寡で決まるものではありません。むしろ、もっと大切なものがあるのではないでしょうか。それはお金を使う際に、自分軸をしっかりと持っているということです。先ほども述べましたが、自身の価値観に照らし合わせて必要なところにだけ、必要なお金を使っていく。そうしたことができる人がお金持ちになれるように思います。あくまで私自身が見聞きしてきた範囲ですが、お金持ちの人は「なんとなく安かったから」と必要でないものまで、つい気分で買ってしまうことはしないようです。

私が子どもに「どうやったらお金持ちになれるの?」と聞かれたら、こう答えます。「自分にとって何が大切かが分かっていて、それにお金を使える人。つまり大切ではないことにはお金を使わないようにすることだよ」。そして、こう付け加えます。「大切なときに使えるだけのお金があるように、自分で働くようになったら仕事できちんと成果を出そう。同時に万が一の何かやどうしてものときに力を貸してもらえるように日ごろから周囲の信頼を得られるようにすること。これも大切だよ」

十人十色とはよくいったもの。お金の使い方に関しても、周囲からみたら、くだらない、無意味だと思えるようなことにお金を使うことも時にはあるでしょう。ただ、お金持ちの人は、無意味なことにお金を使う場合も、一定の節度を持っているようです。家計に余裕があるからといって、大金を持っている分だけ注ぎ込む、といったようなことはしないのです。

私からこのような話を聞いて育った長女は間もなく26歳。一人暮らしですが、お金をコツコツとため、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)も始めています。自分の取りたい資格に関しては惜しみなく出費して学び、気分転換のための旅行費もしっかり出しています。ただ、コロナ禍前でもむやみに飲み会を開いたり、ほしいものもないのにバーゲンに出かけたりはしませんでした。彼女がお金持ちになるかどうかは分かりません。ただ、お金に困る生き方にはならないだろう、そんな自信があります。

1人の親として、我が子に限らず子どもたちには、お金を使う価値や意味、使い方についても学んでいってほしい。そして、より良い人生を送るための道具として、お金の使い方を自分の頭で考えられる人に育ってほしい。そう願っています。「お金持ちになりたい」とお子さんがおっしゃったら、その発言をきっかけに親子で一緒に話し合ってみませんか。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。

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