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東京大学より欧米有名大学を志望する生徒が増えている。グローバルな舞台で活躍する人材になるには海外大の方が有利だろう。ただ、高額な学費や生活費で年間1000万円近い費用もかかる。留学支援の応援団長役を買って出たのがカジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの会長兼社長の柳井正氏が率いる「柳井正財団」だ。NIKKEI STYLE キャリア編集長の代慶達也が柳井財団の奨学生を取材した。

「人工知能(AI)は本当に人間を追い越すかな」。柳井氏の質問に「計算機と人間では実現できることは違うのでは。人間には人間にしかできないこともあると思います」と答えたのは英オックスフォード大学1年生の篠川誠人さんだ。東京都立の小石川中等教育学校出身だ。 自分にも他人にも厳しいといわれる柳井氏だが、高校生相手の留学支援の「最終面接」では笑顔を絶やさないという。

柳井財団 2016年以降に155人を欧米大へ

柳井財団は2016年以降、計155人 の生徒を選抜し、給付型の奨学金を提供。欧米大に送り出してきた。年2回の面接には柳井氏自身があたる。9月末には学校推薦の審査があり、100人以上の申し込みがある。秋以降に欧米の大学入試がスタート。合格した生徒を対象に2回目の審査を行う。対象者は日本国籍の生徒だが、国内外のインターナショナルスクールの生徒も含まれるため、競争は熾烈(しれつ)を極める。

英オックスフォード大の篠川さん

英オックスフォード大の篠川さん

海外大志望の多い進学校では「柳井氏の財団の合否が欧米大に進学できるか否かを決めるケースが増えている」(渋谷教育学園幕張高校・同渋谷高校の田村哲夫校長)という。海外大に合格したとしても、進学費用の壁があるからだ。米英の有名私立大の学費は年々上昇し、年間500万~600万円。寮費など生活費を含めると1000万円近くに上る。欧米には様々な奨学金制度があるが、柳井財団は米国の場合、9万5000ドル(約1090万円)、英国は6万5000ポンド(約1000万円)で、ほぼ必要な費用を賄えてしまう。もちろん返還不要で、卒業後にファストリ入社などの条件も一切ない。

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