伝わる技術わかりやすく コミュ力高める編集者の実践リブロ汐留シオサイト店

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。新型コロナウイルス感染拡大の第6波は減少局面になってきたが、来店客の回復にはいたっておらず、ビジネス書の売り上げも厳しい状況が続く。そんな中、書店員が注目するのは、ベストセラーを数多くつ生み出してきた編集者が「伝えたいことが相手にちゃんと伝わるための方法」を説いたコミュニケーションスキルの本だった。

相手主体で考える「伝わる」

その本は垣内尚文『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(かんき出版)。副題に「誰でも身につく36の伝わる法則」とある。自分主体の「伝える」ではなく、相手主体の「伝わる」に視点をずらして、伝え方を考察した本だ。だから「伝え方」ではなく「伝わる法則」。「伝わる」には構造があり、構造に応じた「伝わるための技術」がある。そのことを法則としてわかりやすく解説している。

著者の垣内氏はぶんか社、アスキー、アスコムなどで長年雑誌と書籍の編集に携わってきた編集者。略歴によれば「10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ」というヒットメーカーだ。編集という手法を生かしてマーケティングやブランディングといった分野でも活躍している。

著者によれば編集者の仕事は「価値を発見する」「価値を磨く」「価値を伝える」の3つだ。長年「伝える」という仕事をしてきた中で、「伝わるための技術」を自分なりに蓄積することができたという。本書はその技術を具体的にわかりやすく解説していく。

「伝わる」は7階建てのビルのような構造になっているというのが著者の見立てだ。何のために伝わる必要があるのか、その「ゴール設定」から始まって「納得感」「相手ベース」「見える化」「聞く力」「親近感」「信頼感」という7つの層で「伝わる」という出来事が起こる。そして「伝わるための技術」とはその7つの層それぞれに有効打を放つ技術となる。

入り口正面のメインの平台最前列に展示する(リブロ汐留シオサイト店)
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実例やクイズで法則を紹介