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おかずに困ったらこれで1品 多彩な副菜缶の利用術

黒川博士の百聞は一缶にしかず(21)

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NIKKEI STYLE

これまでフランスや英国、ポルトガルなど10カ国以上に赴き、どんな缶詰が販売されているかを調べてきた。それで分かったことは、日本で販売されている缶詰の種類が、他の国よりも圧倒的に多いということであります。

大まかに分けても和食、洋食、中華料理のジャンルがあり、より細かく分ければ北欧、インド、東南アジア、中南米など様々な地域の料理がそろっている。これほどまでに多くの料理が缶詰になっている国は他にない。

食材で見ても、肉なら鶏、豚、牛、羊のほかに、クジラもあるし、シカやイノシシなどのジビエもある。フードテックの最前線である「代替肉」も、すでに缶詰化されている。

なぜ日本の缶詰は、これほど種類が多いのか? きっと我々が食いしん坊だからだと思うけど、他にも要因があるはずだ。そこで、缶詰を様々な角度から再分類していたら、ふと気付いたことがあった。それは「副菜」という捉え方であります。主菜の他にあと1品、何かを食べたい。そんな時に役立つ副菜の缶詰が、多数存在していたのだ。今回紹介するのは、そんな副菜缶詰の代表例3缶であります。

副菜の代表格、きんぴらごぼうも缶詰になっている。現在3社ほどが販売しているが、歯触りが素晴らしいと思えるのが、味の加久の屋(青森・八戸)の「Mikata きんぴらごぼう」だ。

Mikataは「味方」のことで、忙しい日々の献立を助けるという意味がある。きんぴらごぼうを作るには、意外に手間が掛かる。だから、缶詰でまかなえれば確かに助かる。具はゴボウとニンジン、コンニャクで、かなり細切りにしてあるのが特徴だ。ゴボウとニンジンの歯触りが良く、高温で加熱した缶詰とは思えないほどシャキシャキしている。甘辛い味はコンニャクにも染みていて、それでいて味付けがあまり濃くないのが現代的である。

Mikataシリーズには、他に「ひじきの煮物」や「筑前煮」などの副菜があり、すべてうまみ調味料は使われていない。パッケージのデザインが愛らしいのもいい。見えるところに並べておきたいくらいだ。

シェフが高得点をつけた缶詰

ホテイフーズコーポレーション(静岡市)といえば、焼き鳥の缶詰が真っ先に思い浮かぶと思う。1970年に日本で初めて発売し(ということは世界初でもある)、今でも基本的な製法は変わらないロングセラー商品である。

それゆえにホテイフーズは鶏肉の缶詰を専門にしているイメージが強いけど、実は魚介類の缶詰も充実している。現時点でサバや貝の味付けなどいくつも魚介缶を出している。

そのひとつ、「かつお生姜煮」は焼き鳥シリーズと同じサイズの缶に、カツオの切り身がぎっしりと詰まっている。味付けはちょいと郷愁を誘う、やや甘めの砂糖しょうゆ味。千切りされたショウガがたっぷり入っており、ぴりっとした風味が味のアクセントになっている。

実はこの缶詰を、あるテレビ番組で紹介したことがある。僕の他に有名店のシェフが3人参加し、味を評価したのだが、20種類の缶詰を食べ比べた中で、このかつお生姜煮はかなりの高得点を得た。あるシェフは「おにぎりの具にしたら絶対ウマい」といい、別のシェフは「味がしっかり染みている。これは厨房では作れない」と絶賛していた。70グラムで税込み151円という価格は、普及価格帯のツナ缶とほぼ同額。コスパ良好であります。 

和食にも洋食にもぴったりの一缶

副菜の缶詰を数多く手掛けているのが、高知・黒潮町の黒潮町缶詰製作所だ。「7大アレルゲン」を使わないのが同社のポリシーで現在、全商品に卵、乳、小麦、ソバ、落花生、エビ、カニを使っていない。それらの原料を仕入れないのはもちろん、従業員が食事を摂る建物を製造工場と分けているほどの徹底ぶり。というのも、従業員が持参する弁当に7大アレルゲン物質が入っていた場合、工場に入り込む可能性がゼロではないと考えているからに他ならない。

うまみ調味料を使わないのも特徴で、代わりに塩麹(しおこうじ)や魚のダシなどの天然素材を上手に組み合わせ、うまみを加えている。だから後味があっさりしていて、素材の風味が伝わってくる。

この「黒潮オイルのマグロとキノコ」は、国産マグロと黒潮町産のシメジをオイル煮にしたもの。一見するとスペイン料理のアヒージョのようだが、塩麹のうまみとショウガの風味が利いているためか、油っこさはほとんど感じない。マグロは柔らかく、シメジは逆にシャキっとした歯応えがある。和食にも洋食にも合わせられる副菜となっている。

今回紹介した3つの缶詰は、数ある副菜缶詰のほんの一部にすぎない。副菜の定義は曖昧だけれど、主菜の他に1品プラスするという見方をすると、対象となる缶詰が予想以上に多くあることが分かるはずだ。

時短という概念が古くなり、同じ時間を使うなら高パフォーマンスを得たいというタイパ(タイムパフォーマンス)が叫ばれるようになった。手間を掛けずに食事の満足度を上げるなら、副菜缶詰を取り入れるのも手であります。

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。

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