「もう安酒を飲む時代ではない!適量飲んで、見合うお金を」

店の奥にあるワインバーコーナー。量り売りのワインを総菜と合わせて飲むこともできる

現在、量り売りするのは、赤ワインのサンジョヴェーゼ、白ワインのアルバーナ、トレッビアーノという各品種100%の3種類。いずれも500ミリリットル当たり1600円~で、今後は違うワインも入荷する予定だ。量り売りワインは、店内に併設されたワインバースペースでも1杯880円~で飲むことができる。「門前仲町という街は、お酒好きが集まってきますが、もう安酒を飲む時代ではない。いいものを適量飲んで、それに見合ったお金を払うというのが今のお客様です」と大沼シェフは分析する。

ワインの量り売りを決めてから、オリーブオイルについての量り売りも始めた。イタリアの地方では、搾油所や農家からの量り売りが習慣として残っているところもある。バッグインボックス(箱の中に別容器が入った複層容器で、環境に優しく、オイルが酸化しにくい)入り3種のオイルは、いずれもイタリアのオリーブオイル名産地のもので、200ミリリットル当たり1080円から。

特に南部プーリア州のオーガニック3品種による「サビーナ・レオーネBIO」というオリーブオイルは、イタリア人インポーターが自家用に輸入している希少品だ。客はガラス瓶(500円)かイタリア製オリジナル陶器(6000円)を最初に買って、店舗スタッフに入れてもらう。

オリーブオイルはバッグインボックスの蛇口からガラス瓶かオリジナル陶器に注がれる

もう一つ明かすと、環境負荷を減らすワインやオリーブオイルの量り売りを大沼シェフが決めたのは、世界的グルメガイドの「ミシュランガイド」も関係している。大沼シェフの「トラットリア ブカ・マッシモ」は2016年の開店後、「ミシュランガイド東京2018」で初めてビブグルマンに選ばれた。以来、最新の2022年版まで5年連続で同カテゴリーに掲載されている。

「ミシュランガイドが(環境やサステナビリティに配慮した店に与える)グリーンスターを設ける少し前に、SDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティについてアンケートを受けたんです。そのことで、自分にできることはないのかを考えたのもきっかけになりました」(大沼シェフ)

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生ハム・サラミ・チーズもその場でカットされて量り売り