
日本橋とやま館のオープンは2016年6月。地酒や海産物など県産品の物販だけでなく、富山の食材が味わえる本格和食レストランを併設したい、という県側の意向を踏まえ、地元出身の浜守さんが出店を決意。東銀座の店を閉め、アンテナショップ開店に合わせて日本橋に出店した。

富山湾のカニやブリは旬の時期には奪い合いで入手が難しくなることも少なくないが、この店では注文通りの品が手に入るのも、地元の漁港などに張り巡らされた浜守さんの人的ネットワークのおかげである。
料理と豊富な地酒とのペアリングも
富山湾の新鮮な魚介類に浜守料理長の創意工夫が加わった絶品料理には、やはりコメどころ富山の地酒を合わせたい。県内の酒蔵から仕入れており、さまざまな味わいの日本酒がそろい、料理とのペアリングも楽しめる。富山名物のかまぼこやイカの黒作り、ホタルイカの沖漬け、ます寿し……。酒のさかなに合う一品料理もメニューに並ぶ。

日本橋三越と道路をはさみ向かい側という立地もあって、ランチ時には三越の買い物客らが、またディナータイムには周辺のビジネス客らが訪れる。富山の漁港や酒蔵などと日本橋の店とをオンラインでつなぎ、現地の映像と一緒に富山はま作の料理と酒などが楽しめるライブ感あふれるイベントも定期的に開催、自然と行きつけの店になる仕掛けも心憎い。来店の際は事前に予約を入れた方が安心だ。
(堀威彦)