回答を依頼されたら「等身大」を伝える

――もし自分がリファレンスチェックへの回答を依頼された場合、注意すべき点はなんでしょう。

「2点あります。1点目は、求職者から依頼の趣旨を聞き、それをしっかり確認したうえで回答すること。自分に依頼する理由や、受けている企業と募集要項の説明も聞きましょう。『企業はどのような情報を知りたいのか』を想像しながら回答すると、企業、求職者の双方にとってプラスになります。IT系の職種であれば具体的に求められているスキルに関するエピソードを伝える、といった具合です。企業が求める人物像などを理解しないまま回答してしまうと、企業が知りたい内容を伝えることができず、あまり役立ちません」

「2点目は、真実を回答すること。求職者の良い点ばかりを書くことが、必ずしも求職者のためになるとは限りません。転職のゴールは入社ではなく、入社後の活躍にあります。ミスマッチが発生してしまったら企業にも求職者にとっても不幸なので、マイナス点も含めて等身大の姿を伝えた方がいいでしょう。何が得意で何が苦手なのか、事実なのか過大評価なのか。第三者がフラットな目線で伝えることが、重要な判断材料となります」

――今後、リファレンスチェックは日本でも定着するでしょうか。

「まだ時間がかかると考えています。日本での課題は、先にも述べたように『リファレンスチェック』の捉え方について、バラつきが見られること。反社勢力とつながりがないか、犯罪歴がないかといったいわゆる身上調査は『バックグラウンドチェック』と言われ、第三者に働きぶりを評価してもらう『リファレンスチェック』とは別のものです。この2つを混同して捉えているケースが企業にも求職者にも見られます」

「リファレンスチェックは、仕事で実績を積み重ねてきた人であれば、プラス評価になります。採用する企業にとっても、ミスマッチを減らし、採用後に活躍する人が増えるというメリットがあります。このようなメリットが正しく認識されるようになれば、リファレンスチェックに対して抵抗感を持つ人が減り、浸透につながるのではないでしょうか」

(日経転職版・編集部 木村茉莉子)

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