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一般社団法人UXインテリジェンス協会事務局長、ビービット執行役員CCOの藤井保文氏

一般社団法人UXインテリジェンス協会事務局長、ビービット執行役員CCOの藤井保文氏

突然ですが、こんな経験ありませんか?

会社の会議室にチームで集まり、それぞれが頭の中でイメージするユーザーの行動を付箋に書いて、ホワイトボードにペタペタと貼って、みんなのアイデアを寄せ集めて妄想のペルソナ(=顧客像)を作り上げてしまう……。

都合のよい事象だけをくっつけた結果、できあがるのは右腕が60代男性、左腕は30代女性みたいなキメラのようなペルソナ。そこに向かって、商品やサービス開発、果ては中期経営計画づくりまでが始まってしまう。

怖いですよね。怖いですけど、ありがちな話です。なぜこのようなことが起きるのかと言うと、UX(ユーザーエクスペリエンス)とは何かを理解せずに、UXっぽいプロセスをただ回しているからです。

申し遅れました。私、一般社団法人UXインテリジェンス協会事務局長でビービット執行役員CCO(チーム・コミュニケーション・オフィサー)の藤井保文と申します。最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)と並んでUXという言葉がよく聞かれるようになったと思います。実はこのUX、顧客理解や顧客体験づくりをする上での必須スキルでして、私としましては全ビジネスパーソンが身に付けるべきであるとさえ考えております。

この記事では、なぜ今UXが重要なのか、真の顧客理解とは何か、どのようなスキルを身に付ければよいのかについて、基礎的なことをお伝えいたします。

全ビジネスパーソン必須のUXスキルとは

まず、UXの定義からいきましょう。企業目線や提供者目線ではなく、ユーザーや顧客、サービスを受け取る側の目線に立って、その人たちがどんな痛み、悩み、UX用語で言うところの「ペインポイント」を抱えているのかを理解し、それに対してよりよい体験を提供していく全般のスキルのことを、UXスキルと言っています。

「顧客理解」と「顧客体験」が、UXスキルの重要キーワードになります。ではそもそも、どうすれば顧客を理解することができるのでしょうか。

顧客理解と聞くと、ユーザーモニターを集めて心理を深掘りしてニーズを徹底的に探って……。となりがちですが、ちょっと待ってください。

顧客心理やニーズをただ掘るだけでは、正解にはたどり着きません。アップルのiPhoneが存在しないときに、iPhoneがほしいとは言えなかったはずです。自動車がなかった時代は、人々が求めていたのは足の速い馬でしょうし。今はないものについて、「それ、ありかも」と思ってもらえる提案ができるかどうかが勝負なのです。

ある状況下で顧客はどう判断するかを見極める

ですので、ニーズの掘り下げよりもまず重要なのは、顧客が置かれている状況を正しく知ることです。そして、顧客がある状況下でどのように判断するのか、その判断軸を理解することです。それこそが「顧客理解」なのです。

ややこしい話ではなくて、例えば、今晩家で飲むのを高級ビールにするか発泡酒にするか、その人が置かれた状況によって判断は変わってきますよね。

きょうは仕事をすごく頑張ってとても疲れているけど、このビールを飲めばあすも頑張れるかもしれない。でも、うちに帰ってこのちょっと高級なビールを飲んでいると、家族に冷たい目で見られるんじゃないか、みたいな状況は「あるある」です。

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