ジョブ型雇用を恐れるな ADB駐日代表・児玉治美ダイバーシティ進化論

2021/11/13
イラストはイメージ=PIXTA

新卒一括採用や年功序列、終身雇用が特徴の「メンバーシップ型雇用」から、職務内容をベースとする「ジョブ型雇用」への転換に注目が集まっている。勤続年数や年齢に関係なく、スキルに応じて採用され給与が決まるジョブ型は、海外では古くから一般的だ。

日本では浸透しておらず、コロナ禍で大企業が導入を始めるなど議論はごく最近始まったばかりだ。ダイバーシティやイノベーションの観点からも、日本は一刻も早くジョブ型を基本とする社会に変わるべきだ。

しかし、何十年も続く日本型雇用からの脱却に抵抗があるのか、ジョブ型の問題点が強調されがちだ。確かに、ジョブ型では会社の都合だけで社員の職務や配属を決められず、社員は自発的なキャリア形成を求められ、成果が出なければ職を失う可能性すらある。

だが、諸外国を見ればメリットの方がはるかに大きい。私が長年勤めてきた国際機関の世界でも、ジョブ型の歴史は長い。すべてのポストの業務内容が職務記述書に明記され、採用時には開示して公募を行う。新卒ではなく中途採用で業務に即した経験やスキルを持つ人材が世界中から応募する。よって、育児や介護で仕事を中断した女性でも復職・転職して活躍しやすい。実際、私も双子の息子たちが生後半年の時にニューヨークの国連からマニラのアジア開発銀行に、公募による選考を経て転職した。