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中外製薬の人事部タレントマネジメントグループの高橋泰代さん=同社提供

中外製薬の人事部タレントマネジメントグループの高橋泰代さん=同社提供

人気企業・注目企業が新人教育で使ったり、新入社員に推薦したりしている書籍と、各社の人材育成戦略を取り上げるシリーズ「社会人1年目の課題図書」。第20回は中外製薬です。

コロナ禍でニュースに登場する機会が増えた製薬業界。中でも中外製薬は新型コロナウイルス感染症の治療薬「ロナプリーブ」が世界で初めて正式に薬事承認されるなど大きな注目を浴びた。がん領域の医薬品や抗体医薬品の分野で国内トップシェアを誇り、2002年からは世界有数の製薬会社であるスイスのロシュと「戦略的アライアンス」を開始。売り上げ・利益を大きく伸ばしてきた同社は、最近、社員の口コミサイト「オープンワーク」の「社員が選ぶ『働きがいのある企業ランキング2022』」でグーグルに次ぐ2位となったことでも話題になった。

人事部タレントマネジメントグループの高橋泰代さんによると、同社ではインターンシップ参加者や内定者向けに『生き方』(サンマーク出版)と『世界一やさしい問題解決の授業』(ダイヤモンド社)の2冊を薦めている。

京セラとKDDIの創業者であり、日本航空(JAL)の再建にも手腕を振るった稲盛和夫氏の著書『生き方』は、歴代人事部長が内定式で紹介してきたという。リーダー育成研修の中でも長年推奨されており、同社で働く人にとってはいわばバイブルのような存在だ。

『生き方』
著:稲盛和夫
出版:サンマーク出版
 「経営のカリスマ」として、日本のみならず海外からも尊敬を集める稲盛和夫氏が、その成功の礎となった人生哲学を語り、2004年の刊行以来130万部を超えるミリオンセラーになった。物事を成就するためには、「こうありたい」「こうあるべきだ」と誰よりも強烈に願望し、創意工夫を重ね、ひたむきに努力することが必要だと指摘。さらに「人間として正しいかどうか」を判断基準として常に心を磨き、「利他」の精神で世のため人のために尽くすことが大事だと説く。

「人間として正しいことを追求すること、人格を磨き続けることの大切さを説いている本で、リーダーとしてのあり方、人としてのあり方の基本が学べます。どんなに能力が優れていても、人間的に尊敬されない人には誰もついてきません。新入社員は役職としてのリーダーになるのはまだ先ですが、リーダーシップを発揮できる場面はたくさんあります。社会人1年目の段階から、人としてどうあるべきかを考えていくことはとても重要なことだと思います」

高橋さんは10年ほど前、次世代リーダー育成の担当をしていた時に同書に出会い、個人的にも心打たれたという。

「社内には優秀な人が多く、自分とのギャップを感じることもあって、そこで私が価値を出していくためにはコツコツ努力するしかないと信じてやってきました。ですから、この本の中の『かくありたいと思い描いた地点まで一瀉(いっしゃ)千里にいく道などないのです。千里の道も一歩からで、どんな大きな夢も一歩一歩、1日1日の積み重ねの果てに、やっと成就するものなのです』という一節がとても心に響きました」

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