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ビジネスとアートはかつて別世界のものと考えられていましたが、ここ数年はビジネス教養としてのアートや、0から1を生み出す創造性をイノベーションに生かす「アート思考」などが注目されています。マネックスグループ社長の松本大氏は2008年から、現代アーティストに同社のプレスルームの壁を使い、自由に作品を制作してもらう「ART IN THE OFFICE」という取り組みを続けるなど、アートの愛好者・サポーターとしても知られます。実は学生時代の美術の成績は全然良くなかったという松本氏に、アートの魅力やアートとビジネスの関わりについて聞きました。

アートに身構える必要なし 変人と話してみる感覚

ここ数年、「アート思考」や「デザイン思考」がはやっていますが、「アートって何だかとっつきにくい」と感じている人が依然として多いと思います。私自身も「アート思考」なんてものは全然ピンとこないのですが、アートそのものにはかなり昔からなじんできたので、今回は私なりのアートとの付き合い方をお話ししたいと思います。

最近はちょっと忙しく、2ヶ月に1度くらいしか美術館に行けていないのですが、以前はかなり頻繁に足を運んでいました。特にソロモンブラザーズ社員として米ニューヨークに住んでいた頃は週末には必ず、平日も少しでも時間があればという感じで、メトロポリタンやホイットニー、グッゲンハイム、それにニューヨーク近代美術館(MoMA)などに通っていました。私の鑑賞の仕方は、いろいろ難しいことは考えず、高速でダーっと見て回り、感覚的に気になった作品に戻ってもう一度見るというパターンが多いです。他の人と同じペースで一緒に見て回るというのはどうも苦手で、美術館に家族と一緒に出かけたとしても、結局、自分1人で見て回ることがほとんどです。楽しみ方は人それぞれ。自分が好きなように見ればいいと思います。

松本大 マネックスグループ社長

松本大 マネックスグループ社長

身構える必要なんて全くないんですよ。そもそも私自身、絵は全然描けません。私の学生時代の通信簿の平均点を常に下げていたのは美術と音楽、体育でした。体育の場合、運動神経が良くないと楽しくないし、バスケットボールみたいなチーム競技になると人に迷惑をかけるし、かといってみそっかすにされるのも面白くない。音楽も合唱で音程を外すと、ひんしゅくでしょう。でも、美術って下手でも誰にも迷惑をかけませんから、それがいいんです。

多分、私のアート好きの素地には、編集者だった父親に小さい頃から美術館に連れて行ってもらった経験があると思います。特に見方を教えられたわけではないのですが、今思えば、父親がいいと思うものを見せてくれていたのでしょう。中学生の頃は、しょっちゅう出光美術館に行っていました。当時は学生の入館料が確か100円とかそのくらいで、夏は涼しいし、冬は寒さをしのげるし、皇居側にラウンジがあって紅茶がサービスで飲めるし、いいことずくめ。通っているうちに、何となく展示も見るようになりました。

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