厚動物系ラーメンの実力派 宝庫・千葉でイチオシ2店

鶏の骨の唯一の麺メニュー、「鶏の骨ラーメン」

2022年も早いものでもう9月半ば。暦の上では正真正銘の「秋」である。猛暑の日もあるが、朝晩はさすがにヒンヤリしてきて、日没後は半袖だとちょっぴり肌寒く感じる日も増えてきた。となれば、食欲も回復し、ガツンと濃厚なラーメンが恋しくなってくる。そこで今回は、鶏、豚などのいわゆる「動物系素材」からダシをとったラーメン、中でも、それらの骨(鶏ガラ、豚ゲンコツ等)や肉を白濁するまで炊いたスープが濃厚な1杯を提供する優良店を紹介したい。

どの店をピックアップすべきか――。濃厚動物系ラーメンの実力店は枚挙に暇(いとま)がないため、店選びには相当頭を悩ませたが、千葉県内にある2店を採り上げることに決めた。

★鶏の骨(成田市)

~ 千葉における二毛作店のパイオニア的存在!鶏骨濃密スープが秀逸 ~

まずご紹介するのは『鶏の骨』(千葉県成田市)。同店は成田市はもとより、日本全国にその名を轟(とどろ)かせる実力店『麺や 福一』のセカンドブランド。この『鶏の骨』は毎週土曜の夜2時間半(午後6時から8時30分まで)しか営業していないので、『麺や 福一』は知っていても、『鶏の骨』は知らない、あるいは、知っていても営業時間的な制約からハードルが高くて訪問できていない方も多いのではなかろうか。

毎週土曜の夜限定で営業する成田市の「鶏の骨」

ちなみに、冒頭で述べた通り、同店はセカンドブランドなので、『福一』と同じ場所で、暖簾(のれん)だけ変えて営業している。厨房に立つのが『福一』のマスターこと、千葉ラーメン界の大御所・石曽根知宏店主であることも、何ら変わるところはない。

「短時間の営業時間帯に、できるだけ多くの方にラーメンを召し上がってもらいたい」との思いから、『福一』とは異なり、『鶏の骨』は提供するメニューの数を徹底的に絞り込み、麺メニューは「鶏の骨ラーメン」とその替え玉のみ。ちなみにペペロンチーノ風の味付けが施された「替え玉ペペロンチーノ」も、人気メニューだ。

『鶏の骨』が開業したのは08年。石曽根店主が当時、奈良県で濃厚豚骨ラーメンのトップランナーとして君臨していた『豚の骨』を訪問。その味にほれ込み、「鶏の骨」を使って同じようなパンチ力のあるラーメンを作ってみようと思い立ったのが、誕生のキッカケ。

石曽根氏曰(いわ)く、『鶏の骨』のラーメンを開発するに当たり、最も苦労したのが、表ブランドである『麺や 福一』の鶏白湯ラーメンと、どのように味の差別化を図るか、だったという。

次のページ
開業から10数年、いまだに長蛇の列