2022/3/14

――コロナ禍が時計業界に与えた影響はどのようなものでしたか。

「2年間のパンデミックを経て2022年もコロナ禍は続いています。20年は大きな打撃を受けました。工場はほぼ3カ月間停止し、世界中の売り場も4~5カ月間のクローズを余儀なくされました。こうした試練を乗り越えて21年、お客様が帰ってきてくださり、ラグジュアリーブランド消費のリバウンドが起きました。お客様は今、海外旅行先でブランド品を買う機会こそありませんが、その分、地元で時計を買って下さいます。コロナ禍は経済危機ではなく本質的には衛生の危機であり、富裕層の経済的な余裕は損なわれていません。消費への欲求さえ戻れば、現在のようなリバウンドが起きるのです」

――なぜ高級時計の需要が好調なのでしょう。

「ウブロを傘下に置くLVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ全体でみれば、レザーグッズも好調で、時計だけが売れているわけではありません。私が注目しているのは、高級時計の需要拡大を担っているのが新しい消費者、特に若い世代であるという点です。彼らにとって時計は他の人と差異化できるアイテムなのです。バッグなどに比べて、より自分自身を主張できるアイコン的なプロダクトと考えているのでしょう」

村上隆さんとのコラボ 「歴史的な成功」

――ここ2年間、東京・銀座を皮切りに名古屋、大阪、東京・表参道と相次ぎブティックを開きました。デジタル時代において実店舗はどんな役割を担うのでしょうか。

「ウブロにとってブティックは極めて大切な存在です。洗練された空間で、わくわくする体験を提供し、ブランドとエンドユーザーをつなぐ場所。それがブティックのあるべき姿です。ブランドの世界観を表現できるようスペースは十分にとり、ウブロの時計を買う行為が、まるでセレモニーであるかのように思わせる店作りにこだわっています。お客様はお店に体験を求めています。たとえば昨年12月にオープンした表参道店は、展示する時計にお客様が直接触れられる『フリーアクセスディスプレー』など、新しい試みを採用しました」

「21年はお客様が高級時計に戻ってきた年でした」と話す、ウブロのリカルド・グアダルーペCEO

――村上隆さんとのユニークなコラボ時計も話題でした。投入した効果はいかがでしたか。

「日本人アーティストとのコラボは村上さんが初めてですが、歴史的なすばらしい成功といえますね。21年の1月、12月にそれぞれ『クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック』(317万9000円)、『タカシムラカミ サファイア レインボー』(1225万4000円)を発売しました。村上氏のアートの象徴である『お花』をテーマにしたモデルで、発表するや即完売しました。需要は販売本数の15倍くらいあったようで、おかげさまでブランドの認知度向上にもつながりました」

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