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仕事と家庭が思うように両立できず、子どもや夫に罪悪感を抱いてしまう――。長引くコロナ禍のなか、そんな「マミーギルト」と呼ばれる心理状態に陥り、ワーキングマザーらが悩みを深めていることが日経ウーマノミクス・プロジェクトの調査で分かった。在宅勤務の普及により働き方が変化したうえ、休園・休校やオンライン授業などで子どもたちも日常生活に影響を受けたのが一因だ。上手に乗り越えるにはどうしたらいいだろうか。2人の公認心理師にヒントを聞いた。

両立生活で「子どもや夫に罪悪感」68%

「家事や子育てと仕事を両立するうえで 、子どもや夫、周囲に対して『罪悪感』を感じることはありますか」。調査でこう尋ねたところ、「いつも感じる」または「時々感じる」と答えた人が68%と7割近くに達した。

見逃せないのは、こうした「罪悪感を感じる」と答えた人のうち、約3割が新型コロナウイルス感染症の流行前と比べて「罪悪感が深まった」と回答したことだ。

「仕事に集中したいときに話しかけられるとイライラして当たってしまう」(56歳、会社員)。「在宅勤務時の会議中に子どもたちが大きな声を出すと、きつい言い方で叱ってしまう」(42歳、専門職)。自由回答には、感染対策による生活変化のなかで「こんな母親で申し訳ない」と悩みを深めるワーキングマザーらの切実な声がいくつも寄せられた。

【調査概要】
日経ウーマノミクス・プロジェクトが2022年1~2月、インターネットを通じて実施した。対象はウーマノミクス会員や日経新聞読者で、働きながら子育てをしている女性たち。全国の621人から回答を得た。

「良き母親像」の呪縛 コロナ禍による生活変化が追い打ち

家事や育児がきちんとできず、申し訳ない。私はダメな母親だ――。こうした罪悪感は、英語で「マミーギルト」(母親の罪悪感)とも呼ばれ、研究が進んでいる。

国内でも「3歳児神話」が流布されたことなどで女性たちは罪悪感にさいなまれてきた。3歳児神話とは、「子どもは3歳までは、家庭で母親が育てないとその後の成長に悪影響を及ぼす」といったもの。1960年代に広まったとされる。

実は3歳児神話は、98年版の「厚生白書」で「少なくとも合理的な根拠は認められない」と結論づけられた。だが、今回の調査が浮き彫りにしたように、令和のいまでも「良き母親像」に縛られて葛藤する女性は少なくない。コロナ禍で深まる「自分はダメな母親」との罪悪感はどう乗り越えればいいだろうか。

写真はイメージ=PIXTA

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