1社経験者が持つ、絶対的なアドバンテージ

40~50代幹部の初転職がマイナスに働くところをみてきましたが、ぜひともみなさんが持つ、大いなる強みにも目を向けてほしいと思います。それは「これまで1社でしっかりやってきた」という事実です。

長くしっかり働いてきたという部分は、応募先企業、特に経営者からみて、大きな加点ポイントです。「この人は、何かあったらすぐに転職してしまうような人ではない」。この期待、信頼は、転職を繰り返してきた人にはないアドバンテージ。これを新天地につなげてほしいものです。

転職後も長く貢献していきたいという姿勢を、ぜひ一貫して伝えてください。前職を長く勤めてきたという事実に裏打ちされているだけに、説得力は絶大です。その上で、1社経験者に多くみられる次のマイナスポイントに気をつけて面接に臨みましょう。

・話し方が冗長、説明的すぎる
[対策] 結論から、端的に、具体的に話すよう気をつけましょう。
・自分がどうしたいかが不明確
[対策] 会社から言われたことをやるだけでなく、「自分はこうしたい」という意思を明確にしましょう。
・諸条件にこだわりすぎる
[対策] 確認は大事ですが、本筋は「職務へのコミット」「成果を出す姿勢」であることをお忘れなく。自分がぜひ参画したいと思える企業であれば、制度がいい加減だという会社は少ないでしょう。そしてそうした応募先企業であれば、結果は後からちゃんとついてきます。

入社後のことで、もう一つ付け加えておきたいのは、業務に関するスピードです。この世代で初めて転職する人が新天地でギャップを感じやすい点です。

スタートアップのみならず、中堅・中小企業でも、あるいはマネジメントクラスを積極採用する大手でも、プロパー率の高い企業に比べると、業務の対応スピードが格段に早く感じるでしょう。レスポンスや着手が早い。業務を進めるスピードが速い。この「早くて、速い」について、後手に回らないよう意識して動くことが肝心です。

業務スピードが「早くて、速い」ことは今後、勝ち残る企業の条件です。もし、自分の体質が異なるようであれば、これを機会に体質改善してしまいましょう。

40~50代幹部の場合、この年齢で初めて転職することになったことについて「出遅れ感」を持つ人が少なくありません。でも、先に述べた通り、アドバンテージもあることを認識してください。そして、これからの仕事人生をさらに積極的に楽しむ姿勢、環境変化を楽しみに待ち受けるマインドで臨めば、新しい新天地でのチャンスが必ず待っています。

井上和幸
 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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