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カナダ在住の英国人の叔父が日本に住む私の母に会えず、悲しんでいた。日本政府が新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の水際対策として、昨年11月から外国人は原則新規入国停止としていたからだ。2人とも高齢のため「コロナが収まったらいつでも会える」と楽観的になれずにいた。

ワクチンを接種していても、陰性を証明できたとしても、外国籍という理由だけで来日を断念せざるを得ない人がたくさんいた。オミクロンの市中感染が広がり、意味が薄れた水際対策を主要国が緩和するなかで、日本は外国人の新規入国を禁止し続けた。

岸田文雄首相は2月中旬に対策緩和を表明。3月から日本人も含めた入国者の上限が引き上げられたが、時既に遅しの状況だ。いざとなったら「日本は論理的根拠なしに外国人を排除する国である」と世界に印象付けてしまった。

日本で学ぶことを希望しているのに、足止めされる学生がいる。日本に住む外国人にとっても不安の種ができてしまった。出入国に関して突然理不尽なルールがつくられ、海外との行き来ができなくなるかもしれない、と考えるからだ。日本の味方ともいえる人たちの流出を招きかねない事態だ。

なぜこのような判断が続いたのか。夏の参院選を控え内向きな民意をコロナ対策に反映することで、内閣支持率を維持しようという政権の意図が指摘されていた。加えて、私は日本でダイバーシティの重要性が真に理解されていないからだと考える。

写真はイメージ=PIXTA

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