スピード調整機能では、ぷよが落ちてくるスピードを遅くすることで、従来よりもゆっくりしたスピードでゲームをプレーできるようにした。シニア層のために新規に開発したのだが、シニア以外の人たちにも好評だった。ゲーム初心者はもちろん、病気やけが、障がいで、体の一部が動きにくかったりする人たちだ。最初は一番遅いスピードで練習し、慣れてきたら通常のスピードに挑戦するという。これまでスピード調整機能を入れなかったのは、「ゲーム性が損なわれてしまうのでは」という心配があったからだが、結果的により多くの人に楽しんでもらえるようになった。

「障がいのある方は、自分からゲームの不便さを伝えてくれることが少ないようだ。そうした人たちの多くは『自分は障がいがあるから仕方がない』と考え、プレーを諦めてしまう傾向があると、彼らを支援する方々から聞いた。少しでも多くの人にぷよぷよの施策を知ってもらい、遊んでもらいながら多様な要望を今後のゲーム作りにも反映していきたい」(五十嵐室長)


(ライター 近藤彩音、写真提供 セガ)
[日経クロストレンド 2022年9月28日の記事を再構成]