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『ぷよぷよ』が目指す 快適にプレーできるゲームとは

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日経クロストレンド

セガ(東京・品川)の人気ゲーム『ぷよぷよ』シリーズは、どんな人でも楽しめるゲーム作りに力を入れている。最新作の『ぷよぷよeスポーツ』では、「色ちょうせい」と「スピード調整機能」の2つのアップデートを実施。色やゲームスピードを工夫し、色覚多様性やシニアなどに配慮して、より多くの人々が快適に遊べるようにした。

◇  ◇  ◇

『ぷよぷよ』シリーズは、「ぷよ」と呼ばれるキャラクターを題材にした落ち物パズルゲーム。1991年にゲーム制作会社のコンパイルが開発し、その後さまざまなゲーム機で販売。98年にセガが権利を取得し、開発・販売している。2021年にシリーズ発売30周年を迎えた。

ゲームのルールは「同じ色のぷよを集めて消していく」というシンプルなもの。積み方を工夫して「連鎖」を繰り返していくことで、より高度な戦いを楽しめる。22年現在、アプリやゲームソフトの販売本数、DL数、アーケードなどのプレーID数は、シリーズ全体の合計で3770万本/ID/ユーザーを達成した(注)

(注)累計販売本数は1998年以降にセガから販売されたタイトルのみ集計。Free to PlayタイトルのDL数を含む

ユーザー同士の大会なども頻繁に開催されており、eスポーツとしても人気だ。22年にセガが承認したぷよぷよ関連のeスポーツの大会は約280件だった(22年1~7月の累計数、新型コロナ禍の影響で実施できなかった大会も含む)。

ぷよぷよeスポーツの大会は全国各地で行われており、子供とシニア、障がいのある人同士が競い合うなど、多種多様な人たちが盛り上がる様子を見ることができる。実は「すべての人が楽しめるゲーム体験」をつくるのは、簡単なようで難しい。子供とシニアでは反応速度や動体視力にも差があるし、障がいのある人は特性によってプレーできないゲームもあるからだ。

ぷよぷよも、特定の人たちからは「自分にはプレーできない」と思われていたタイトルだった。一例が、一部の色、またはすべての色が識別できないという特性を持つ「色覚多様性」の人たちだ。赤と緑、橙(だいだい)と黄緑、茶と緑などが非常に近い色に見える特性のため、色で判断するゲームが難しかったのだ。

もう1つがシニア層だ。31年の歴史を持つぷよぷよは、ほかのゲームに比べてシニア層のファンが多い。昔プレーしていたファンが年を取っても楽しんでいたり、親子で遊んだりしていた。自分はプレーしないが、孫の大会を応援しにきてくれる人も多く、そうした人の中に「孫と一緒に遊びたいが、ゲームが速すぎてついていけない」という声があった。

ぷよぷよを、どんな人でも遊べるゲームにしたい──そんな思いで実施したのが、最新作の『ぷよぷよeスポーツ』で20年に行った「色ちょうせい」と「スピード調整機能」のアップデートだ。

「力業」で開発した色ちょうせい機能

ぷよぷよシリーズの開発陣も、早い段階から色覚多様性の状況を把握しており、カラーユニバーサル対応などを行っていた。「06年発売の『ぷよぷよ!』以降は、ゲーム内にぷよの形状を変更できる機能を実装した。色の違いが分からない人には形で判別してもらおうという狙いだ。本格的に色覚多様性への対応を行ったのは20年発売の『SEGA AGESぷよぷよ通』で、ぷよのカラーを個別に選択できる機能を入れた。しかし、こうした施策がどれほど当事者に届いているかは分からない状態だった」(セガのゲームコンテンツ&サービス事業本部ぷよぷよシリーズアートディレクター、デザイン監修の三瓶映氏)

より本格的に色覚多様性に向けた調整を始めたきっかけは、19年に開催された「いきいき茨城ゆめ国体2019」だった。「国体の文化プログラムとして初めてeスポーツが採用され、その中の3タイトルの1つに、ぷよぷよeスポーツが選ばれた。この大会以降、障がいのある方を支援している人や施設などから、『障がいのある人も大会に参加できたら……』と意見をもらう機会が増えた」(セガのジャパンアジアパブリッシング事業部eスポーツ推進室・五十嵐勝室長)

また、このタイミングでアップデートができた理由には、ハードウエアの進化もあった。「ぷよぷよはマルチ展開を前提としたタイトルで、ぷよぷよeスポーツも『Nintendo Switch』『PS4』『Steam(PC)』の3つで展開している。これまでのマルチプラットフォーム展開では、ハードの性能などに差があり、各特性に合わせてソフトを開発する必要があった。そのため、色覚多様性に対応したアップデートを入れるのが困難だった。しかしすべてのハードのスペックが進化し、ほぼ同じことができるようになってきたので、今回の施策に踏み切れた」(セガのゲームコンテンツ&サービス事業本部「ぷよぷよeスポーツ」ディレクターの中島玄雅氏)

こうした経緯で実装した色ちょうせい機能だが、開発はかなりの「力業」だったという。色覚多様性に対応した絵づくりをするに当たって、明確なガイドラインなどは存在しない。色覚多様性といっても見え方には個人差があるため、「この色なら絶対に見える」と断言できないのだ。色覚多様性の人の見え方を模擬体験できる液晶モニターや眼鏡を使用してゲーム画面を作っていった。しかし開発者たちには「本当にこれで見えるのか」がどうしても分からなかったという。そこで、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)と協力し、色覚多様性の人に実際にゲームをしてもらいながら色の調整を行った。

「色覚多様性の方のプレーを通して気づいたこともたくさんあった。例えば、ぷよは消える瞬間にチカチカと『点滅』するのだが、色覚多様性の人にはぷよが点滅した瞬間に見えにくくなってしまうようだった。色だけではなく、表現による見えにくさもあるのだと分かった」(三瓶氏)。実際に隣に座って、「この表現は見える?」など細かく確認しながら調整を進めていったという。

「開発陣からすると『やりすぎ』と感じるほどの調整でも、色覚多様性の人にはまだ足りないこともあり、彼らの生の声を聞きながら色を調節できたのは本当に大きかった」(中島氏)

スピード調整機能では、ぷよが落ちてくるスピードを遅くすることで、従来よりもゆっくりしたスピードでゲームをプレーできるようにした。シニア層のために新規に開発したのだが、シニア以外の人たちにも好評だった。ゲーム初心者はもちろん、病気やけが、障がいで、体の一部が動きにくかったりする人たちだ。最初は一番遅いスピードで練習し、慣れてきたら通常のスピードに挑戦するという。これまでスピード調整機能を入れなかったのは、「ゲーム性が損なわれてしまうのでは」という心配があったからだが、結果的により多くの人に楽しんでもらえるようになった。

「障がいのある方は、自分からゲームの不便さを伝えてくれることが少ないようだ。そうした人たちの多くは『自分は障がいがあるから仕方がない』と考え、プレーを諦めてしまう傾向があると、彼らを支援する方々から聞いた。少しでも多くの人にぷよぷよの施策を知ってもらい、遊んでもらいながら多様な要望を今後のゲーム作りにも反映していきたい」(五十嵐室長)

(ライター 近藤彩音、写真提供 セガ)

[日経クロストレンド 2022年9月28日の記事を再構成]

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