銀行では地方創生部の副部長と部長を務めた。地方創生部は自治体との交渉などが仕事だ。総研で培った人脈や経験が役立った。

そして20年春、法人営業部の部長に抜てきされる。営業の経験もなく、出向が長く、そして女性。初めて尽くしの人事だった。しかもコロナ禍という逆風付きだ。部下には「私が間違っていたら指摘して」と率直に伝え、新商品や新しい営業方法を皆で考えた。「この上司なら頭ごなしに否定はされないと思ってもらえたかな」。部員らの力で過去最高の成績を達成。21年に取締役に就任した。

「出向しても私のキャリアは折れず、会社にチャンスをたくさんもらった」と振り返る。目の前の仕事に真摯に取り組むと、いつも誰かが次の挑戦へと背中を押してくれた。子育て中の社員にも「いつかエネルギーを仕事に向けられる日が来るから、焦らないで」とエールを送る。

[日本経済新聞朝刊2021年2月7日付]