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「経済的な自立のため、定年まで働くことが目標だった」。2021年6月、千葉銀行初の女性取締役に就いた淡路睦さんはそう話す。若くして父を亡くし、高校・大学は奨学金で通った。転勤がないと聞き、長く働き続けられそう、と千葉銀行への入行を決めた。

女性は結婚や出産で退職するのが一般的だった職場で、子育てしながら働き続けた。「子どもの迎えに間に合うよう、分刻みで仕事を回した」。だが上司の理解はなかなか得られなかった。「ご主人も仕事を辞めてほしいと思っているのでは」。面と向かってそう言われたこともある。夫に聞くと「誰かのキャリアを中断させるようなことを、僕が言う権利はない」。逆に夫への信頼感が増した。

キャリアの転機は、ちばぎん総合研究所への出向だ。女性研究員の社内公募に自ら手を挙げた。

あわじ・むつみ 1989年千葉銀行入行。2019年執行役員、21年4月常務執行役員を経て、同年6月から現職。

あわじ・むつみ 1989年千葉銀行入行。2019年執行役員、21年4月常務執行役員を経て、同年6月から現職。

自治体向けの調査・コンサルティングなどを担当し「初めて仕事が楽しいと思えた」。企画書を作り、コンペで受注を勝ち取る。業務完了後に報告書を提出すると「また淡路さんに」と請われ、次の仕事につながった。会社の成長と自分の成長が重なるのを感じた。

「定年までここで働きたい」。出向は14年に及んだ。だが50歳になる年、銀行から呼び戻される。「いまさら銀行で何をしろというの」。不安だったが、信頼する上司が「挑戦してこい」と背中を押してくれた。

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