「日本で認められる」が世界の指標に
――顧客向けのユニークな施策にも取り組んでいます。
「21年11月には都内の大正時代の洋館を特別な空間『ランゲハウス』に仕立てて一夜限りのイベントを開催しました。市場価格で総額5億円相当のマスターピース28点をはじめ、最高峰のモデルやアーカイブをそろえ、30組をお招きしました。最近ランゲに詳しいお客様がとても増え、なぜランゲが好きかを熱心にお話ししてくださる。お客さまとの対話で自分たちも勉強させていただき、気づきがあります。日本人はものづくりに対するこだわりや微細な違いを理解し、最高レベルの品質とサービスを求められる点で、ドイツ本社にとってのベンチマークなんです。日本で認めてもらうことが世界のお客様に通じるので、指標となるマーケットなのです」
新作「ツァイトベルク・ハニーゴールド “ルーメン”」などが幻想的な雰囲気の中で展示された（イベント「ランゲハウス」で）――この2年は顧客との絆が深まった2年でもあったのですね。
「私自身とても感動したのですが、ランゲのコレクターであるお客様が、最初のコロナ感染拡大期でマスクが手に入りにくかった時に、スタッフ全員のことを心配してマスクを送って下さいました。その後、消毒液も届きました」
イベント「ランゲハウス」の会場となった都内の洋館「九段ハウス」「時計を買っていただく、お売りするという関係だけでなく、アットホームでファミリーな雰囲気を、お客様に学ばせていただきました」
（聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳）
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