2022/3/11

コロナ下だからこそ ブティックのおもてなし強化

――ある人が頻繁に転売している、ということは分かるものなのですか。

「ランゲでも購入者が登録していれば、いつ、だれの手に渡ったかという時計の購買履歴を追跡することはできます。ブティックで接客していると、お客様が本当にこの時計を欲しがっているのか、熱意のほどがわかるものです。とはいえ時計はお客様に選んでいただくもので、我々がお客様を選ぶのではありません。リクエストがあれば可能な限り商品をお見せします」

特別な顧客を招いたイベント「ランゲハウス」では貴重な時計を展示。角形モデル「カバレット・トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”」

――この2年間は店に行きにくい状況でしたがブティック販売に力を入れていますね。

「お客様の購買行動がコロナ下で変化しました。予約して来店し、じっくり選ぶ人が増えたのです。来店客数は減少しましたが、その分、濃密な商談ができるようになり、お客様の真剣度合いも高くなりました。ビジネスモデルとしてはこの2年、ブティック化にシフトしています。直営2店、FC3店の計5つのブティックを展開し、ブランドエクスペリエンス(体験)を大事にしています。ランゲはどういうブランドか、一つ一つの時計に込めた思いなど紹介しながら、複数のブランドを扱う売り場ではかなわない、ランゲのブランドストーリーを伝えるのが狙いです」

――デジタルによる顧客との接点を第一に掲げるブランドが多い中で対面重視なんですね。

「店の空間で1組~2組、1回の接客を1時間から2時間と、ゆっくり楽しんでもらうスタイルに変えたところ、この機会に1度行ってみたいと来店して下さる新規顧客が増えました。生産数が限られているので、ブティックの数自体はそう増やせません。そのぶん、1店舗あたりのおもてなしを強化したいという思いがあります。もっともデジタルの分野では21年6月からネット販売をはじめました。定着にはもう少し時間がかかりそうですが、お客様の選択肢が広がることは大事にしています」

「まさにブティックでのおもてなしを強化した2年間。新規のお客様の比率が5割を超え、ていねいな接客を心がけ、対話する時間も長くなりました」

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