仕事着にするなら… カチッとした紺ブレと
――その世代が年齢を重ねて、ようやく白パンツを着こなす中高年が闊歩(かっぽ)するようになったわけですね。
石津「ここまでが長かったんだ……。それより上の世代は、真っ白は汚れが目立つから嫌だという人が多くて、薄い色ならベージュトーンのチノパンをはいていた人が圧倒的に多かったから。男性のパンツはクリーニングに出すものだと考えていた世代だからね。でも実のところ、白デニムなんか毎日家で洗ってそのままはけるから、クリーニングに出す手間がいらない。きれいな白を保てることも大きなメリットだよ」

――20年ほど前といえば雑誌『LEON』が「ちょい不良(ワル)オヤジ」を発信していました。
石津「『ちょい不良』でおじさんたちが目覚めて、細身の白デニムとか白パンツをはきだした。上にジャケットを合わせて、胸元を少し開けてね。ストレッチ素材とかばんばん出てきたから細くてもはきやすいんだよ」
安藤「白パンツはヨーロッパのリゾート地には必須です。サルデーニャ島やコルシカ島では白パンツが定番。短パンではなくて白パンツのコーデで食事をする人を多く見ます。それに、夏に日焼けすると白パンツをはきたくなりますよね」
――ビジネスカジュアルでも応用したいですよね。合わせるアイテムのポイントは何でしょう。
石津「相性がいいのはジャケット。やはり紺ブレです。紺ブレはマルチウエアですから。その中でも、カジュアルなタイプではなくて、できるだけカチッとした紺ブレを合わせた方が僕はいいと思います。白パンツって、時にチャラついて見えることもありますから」
安藤「確かにサマーウールとかきちんとした紺ブレの方が仕事場には合いますよね。ゴルフが終わった後のパーティーとかにも良さそうです」
――王道の紺ブレを合わせてトラッドにはくことで、白パンツスタイルを完成させるのですね。安藤さん、シャツは何を合わせましょう。
安藤「オックスフォードのボタンダウンシャツにタイドアップというのもいいと思います。でも、今っぽいということで、バンドカラーのシャツを合わせるのはどうでしょうか」

石津「さわやかでいいよね。僕はパーカを合わせたスポーティーなスタイルにしてみたよ。白が入っているから白パンツとうまくつながる。50代と80代の白パンツスタイル、それぞれいい感じじゃない」

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