Men's Fashion

軽い・強い…チタン時計 先駆者が挑む進化と洗練

編集長探訪

編集長探訪 アクティブ編(3) シチズン

2022.12.14

腕時計の新モデル発表で近年目立つのが、最先端の素材を採用した製品です。その中でもアクティブなビジネスパーソンにぴったりといえるのが、ガシガシと使っても傷が付きにくく、ケースやブレスレットの美しさを保つチタンです。シチズンはこの素材を50年以上、研究し続けてきたメーカーで、文字通り業界のトップランナーといえます。独自の加工技術の要点を教えてもらおうと、銀座にあるシチズン フラッグシップ ストア 東京を訪ねました。




「チタンは本来柔らかく、粘り気のある素材で加工が難しいんです」と話すのはウオッチスペシャリストの高田正樹さん。シチズンでは加工の難度が高いチタン素材を、独自のプレス・切削・研磨技術とデュラテクトと呼ばれる表面硬化技術によって「スーパーチタニウム」と名付けた素材へ進化させました。これは傷が付きにくく、さびにくいのが特徴で、手にすると驚くほど軽いのです。「なめらかで摩擦が起きにくいことから、月面着陸船の脚の部分にも使われているんです」。手首に吸い付くような装着感で、ストレスがまったく感じられません。

腕時計において先進的な素材であるチタンには、ソリッドでかっこいい黒のイメージがあります。代表モデル「アテッサ ACT Line サファイアベゼルモデル」は光沢感のある黒のモノトーン。ミラー仕上げを施したベゼルが輝き、存在感があります。高田さんに聞くとカラーバリエーションを増やしているようです。「チタン素材本来の色は濃いグレーです。表面硬化処理した黒や青があるほか、プラチナを混ぜた明るいシルバーも展開しています」。こっそり見せていただいたのが、希少カラーであるゴールド。いずれもつややかな光沢が高級感を印象づけます。高級モデル「ザ・シチズン」が採用している、日本の洗練された美意識を想起させる和紙のフェースとの相性も抜群です。

高田さんがビジネスパーソンに提案したいチタンカラーは青。「スーツに、ジャケット&パンツスタイルにと、どんな装いにもぴったり。汎用性があります」。ほかにビジネスパーソンに伝えておきたいポイントはありますか? 「夕方になるとちょっと手がむくんでしまうことがありますよね。そんな時でもサイズ感のストレスを気にしなくて済むのが、フィットアジャスターという、ブレスレットの長さを7mm程度微調整できるモデルです。ウレタンバンドを採用しているモデルでは、先端部のパーツをいじることで、バンドの先端があそばないように調整できます」。ちょっとした細部へのこだわりが、装着したときの快適さにつながっているのですね。

アクティブな人ならば、1年間の誤差がプラスマイナス5秒という「ザ・シチズン」の高精度ムーブメントや、「アテッサ ACT Line サファイアベゼルモデル」が採用しているエコ・ドライブGPS衛星電波時計にも注目です。後者は、GPS衛星から位置・時刻情報を取得して時刻やカレンダーを自動修正する機能です。素材だけでなく、ムーブメントの進化も止まることがありません。

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

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