構造にメス入れる効用 アーティスト・スプツニ子!ダイバーシティ進化論

東北大学大学院工学研究科が今年4月、女性限定で教授職の公募を始めた。独立した研究室を運営し、助教を雇うことができるという好条件だ。パートナーが帯同しやすいよう、要件を満たしたパートナーはほかの組織に所属したまま東北大の同科で働けるようにした。現在123人中2人しかいない女性教授を128人中7人に増やし、女性の割合を1.6%から5.5%に高める狙いだという。

理系のなかでも工学は女性が少ない分野だ。ところがSNS(交流サイト)上では、この取り組みに否定的な意見が複数書き込まれた。「性別が理由で応募できないというのは心に来るなー」といった声だ。

博士号を取ったのに大学の正規ポストを得られないなど、若手の男性研究者も苦しい境遇にあることが批判の背景にあると思う。

だが、組織の多様性を高めることがイノベーションを生み、科学技術の発展につながるという認識はもはや世界標準だ。女性が増えることで、大学の研究レベルが上がる可能性は高い。働きやすさも改善され、結果として優秀な若手が活躍しやすい環境づくりに結びつく、と考えられないか。

日本の男女雇用機会均等法は募集や採用の性差別を禁じている。ただ、これまでの取り扱いなどが原因で職場に男女格差が事実上生じている場合は、女性を有利に導くポジティブアクションを認めている。

組織の多様性を高めることがイノベーションを生み、科学技術の発展につながる(画像はイメージ=PIXTA)