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2021年7月にオープンした「スシロー八重洲地下街店」(東京・中央)

2021年7月にオープンした「スシロー八重洲地下街店」(東京・中央)

回転ずしチェーン「スシロー」の勢いが止まらない。新型コロナウィルス禍で多くの飲食店が苦境に立たされる中、大阪発祥の「スシロー」は新規出店を続け、JR東京駅の八重洲地下街にも出店した。スシローでは初となる回転ずしとテークアウト専門店のハイブリッド業態だ。「コロナ禍によってすしの食べ方やスシローの使い方が変化しつつある」と、「スシロー」の事業運営会社、あきんどスシロー(大阪府吹田市)の堀江陽社長はみる。競争の激しい回転ずし業界でトップを走り続ける成功の秘密に迫る。

スシローの原点は、すし職人だった創業者が1975年、大阪・阿倍野に開業した立ちずし店「鯛すし」にある。「安いのにおいしいと顧客を驚かせたときにこそ、値打ちが生まれる」。創業当時のこの思いは、業界トップの回転ずしチェーンになっても、代々受け継がれてきた。

スシローは業界最高水準という原価率約50%を掲げている。通常、外食チェーンの原価率は約30%といわれる。スシローの50%という原価設定は常識破りだった。ときには原価率およそ80%のネタもあるという。顧客重視の戦略で薄利多売のモデルを築き上げ、競合他社との差異化に成功した。

1皿あたりの利益が薄いぶん、厳格なコスト管理が求められる。たとえば、家賃。賃料を低く抑えるために、これまでの出店地は郊外立地が基本だった。

すしロボットの導入で自動化、省力化を進め、人件費も抑制してきた。広告宣伝費は抑え、1カ月に2回の販促フェアに力を入れている。集客力の強いフェア自体が広告の役目を果たしている。

フェアの開催は旬のネタや新開発のすしをPRするうえでも効果が大きい。常に目新しい商品を提供することによって、顧客を飽きさせず、来店頻度を高めている。  

回転ずし事業は清水氏が東京を訪れた際、大阪の郊外には回転ずし店がほとんどないと気付いたところから始まった。84年に大阪・豊中で回転ずしの1号店を開店。関西の郊外を中心に店舗を増やし、96年には1皿100円均一の店舗を出店して全国に店舗網を拡大した。

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