海外メディアや新聞販売店主も登場

海外のメディアの動きもよく拾われている。有料デジタル版で成功をおさめているニューヨーク・タイムズをはじめ、部数を伸ばし続けている英国の週刊誌、エコノミストの秘密、ワシントン・ポスト伝説の編集長引退から考える編集者論などが折々に出てきて、視野を世界に広げてくれる。

さらに新聞販売店主や出版エージェント、ラジオ局からウェブメディアに転じたエンジニアなど、メディアにかかわる様々な黒子たちを取り上げているのも目を引く。メディアの現在と未来を考えるヒントが記事の書き手や編集者、メディア経営者にとどまらない多様な人たちの動きから見えてくる。そんな本だ。デジタル化が課題になっているビジネスパーソンにも示唆は少なくないだろう。

「9月下旬の入荷だったが、ポツポツ売れて月間の上位にまで入ってきた」と同店店舗リーダーの河又美予さんは話す。日本テレビ、共同通信、電通とメディア関連企業が多い汐留地区だけに手に取る人が多かったようだ。

ビル・ゲイツ氏の脱炭素論も上位に

それではランキングを見ていこう。今回は9月月間のベスト5を紹介する。

(1)「会社四季報」業界地図 2022年版東洋経済新報社編(東洋経済新報社)
(2)ソニー再生平井一夫著(日本経済新聞出版)
(3)日経業界地図 2022年版日本経済新聞社編(日本経済新聞出版)
(4)ビジョナリー・カンパニーZEROジム・コリンズ、ビル・ラジアー著(日経BP)
(5)2050年のジャーナリスト下山進著(毎日新聞出版)
(5)地球の未来のため僕が決断したことビル・ゲイツ著(早川書房)

(リブロ汐留シオサイト店、2021年9月1~30日)

1位と3位に定番の業界研究ムック。8月下旬に22年版が刊行されたため、9月月間ではともに上位に入った。2位はソニー前社長のリーダー論、4位は『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの原点の本で、ともに刊行直後からベストセラーになり、好調な販売が続く。それぞれ本欄の記事「ソニー再生の物語 平井前社長が語るリーダーの基本」「NETFLIXも熟読 「ビジョナリー・カンパニー」の原点」で紹介しているので、そちらも参考にしてほしい。同数の5位に2冊。1冊が今回紹介したメディアコラムで、もう1冊はマイクロソフト創業者の著作。温暖化ガスを減らすには何が必要で、なぜ今日の状況を変えられると思っているかを論じた内容だ。

(水柿武志)

2050年のジャーナリスト

著者 : 下山 進
出版 : 毎日新聞出版
価格 : 1,980 円(税込み)

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