女子生徒の理系進学、偏見なくして身近な選択肢に

STEM(科学・技術・工学・数学)分野に進学する女性の比率が低位にとどまっている。障壁は身近なロールモデルの不在や「女性は理系が苦手」などの周囲の無意識の偏見だ。こうした流れを打開しSTEM分野を女子中高生の進路の選択肢にいれてほしいと、目標となるロールモデルの紹介や、理系分野を学ぶ意義などを伝える活動が広がってきている。

研究で活躍するロールモデルや同志を紹介

「両親に研究者は給与が少ないのではと心配された」「結婚や子育てなどライフプランはどう考えましたか」。大型連休中の5月初旬、開催されたオンラインイベントに50人ほどの中高生が集まり、投げかけられた不安や疑問に女性研究者が答えた。

企画したPath to Science for Girls(PSG)はオンラインイベントを通して理系分野で活躍する女性研究者や彼女たちがどのように研究をしているかなどを紹介する団体だ。女子中高生に研究者として働く将来をイメージしてもらい、理系分野への進学者を増やすことを目的とする。オンラインイベントに参加した中高生からは「研究者に対するイメージが変わった」などの感想が聞かれた。

Waffleは理系女子を育成するプログラムを提供する

内閣府が公立中学校の2年生を対象に行った調査では、特に母親の学歴等が進路選択に影響することがわかった。女性保護者の最終学歴が文系の場合、女子生徒の進路意向は「理系」「どちらかといえば理系」が約22%だった一方、母親が理系の場合は「理系」「どちらかといえば理系」が約42%と、20ポイントもの違いがあった。身近なロールモデルの有無が女子生徒の進路に影響を及ぼすと考えられる。

とはいえ理系出身の母親自体が少ないのも現実だ。PSG副代表のグレーヴァ香子さんは「中高生に理系で活躍するロールモデルや、一緒に研究をする仲間がいることを知ってもらいたい」と話す。

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「無意識の偏見」払拭がカギ