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体脂肪率が高いほど認知機能は低い 内臓脂肪体積とも関係

分析の結果、認知機能を示すDSSTスコアは、体脂肪率が高いほど低く、内臓脂肪体積が大きいほど低いことが示されました(表1)。一方、MoCAスコアについては、体脂肪率との関係は統計学的に有意でしたが、内臓脂肪体積との間には有意な関係は見られませんでした。

表1 体脂肪率・内臓脂肪体積と、心血管疾患リスク、脳血管障害、認知機能の関係

(JAMA Netw Open. 2022;5(2):e2146324.)

体脂肪率が高く、内臓脂肪体積が大きいグループほどIHRSが高く、RIで脳血管障害が見つかる患者の割合が高かったことから、年齢、性別、人種、学歴などに加えて、心血管疾患の危険因子、および、MRIによって検出される脳血管障害の有無など、多くの要因を考慮した多変量予測モデルを用いて分析したところ、体脂肪率や内臓脂肪体積は、認知機能低下の独立した危険因子であることが示されました。

体脂肪率が1SD(9.2%に相当)上昇するごとにDSSTスコアは0.8ポイント低下し、内臓脂肪体積が1SD(36mLに相当)上昇するごとにDSSTスコアは0.8ポイント低下していました。0.8ポイントは、加齢による認知機能低下の1年分に相当します。

また、最低四分位群と最高四分位群のDSSTスコアの差は、体脂肪率に基づく分類では2.0ポイント、内臓脂肪体積に基づく分類でも2.0ポイントになりました。これは、加齢による認知機能低下の2.8年分に相当します。

体脂肪と内臓脂肪が認知機能低下の独立した危険因子であることが明らかになった今回の研究結果は、肥満を予防する、または体脂肪を減らす戦略が、認知機能の維持に役立つ可能性を示唆しています。

[日経Gooday2022年5月26日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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