自ら仕掛けるか、変化を余儀なくされるか
「大半のケースでは、賛成20パーセント、様子見60パーセント、反対20パーセントという2:6:2の構造になっている」と著者は指摘します。
DXは現場の1人ひとりが最終的には改革に取り組む必要があるので、「様子見」である60パーセントをいかに巻き込んでいくかが重要になります。だからこそ、小さくてもいいので早期に成果をだしていくことが重要なのです。
「兎にも角にも、DXによって市場そのものが大きな変化を余儀なくされていること自体は逃れようのない事実だよね。それに対して、自ら仕掛けるか? それとも否応なく仕掛けられる側に回るのか? この2択を迫られているんだよ。」
―――第6章 DX達成に必要なこと 183ページ
―――第6章 DX達成に必要なこと 183ページ
突然のDX担当に任命され、何から始めたらいいのかわからない人や、変化の時代に合わせ、組織を変えたい人におすすめの一冊です。
◆編集者のひとこと 日本経済新聞出版・雨宮百子
須藤さんと一緒に作成する書籍は2冊目です。2020年、コロナで世の中が騒がしくなるころ、『90日で成果をだすDX入門』という書籍を出版しました。それから時代はコロナで大きく変わりました。同時に、どこの企業でもデジタル化を推進しないと日常業務に大きく支障をきたすようになりました。
出版社でもDXという言葉が身近になり、社内でいろいろな改革が進みました。1冊目を作ったときの知識をもとに、当事者の1人として関わるなか、より深い問題意識を持つようになりました。その疑問を須藤さんにぶつけたところ、「どこの業界でも悩むことは一緒なのだよ」との助言をいただき、本書は誕生しました。
実際のDXの担当者は「デジタルに強そうだから」というなんてことない理由で若手がアサインされることも少なくありません。本書が悩んでいるかたの突破口の1つになるとうれしいです。
一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。