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ビジネス書棚端の平台にある面陳列棚に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス書棚端の平台にある面陳列棚に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。先週は安倍晋三元首相の国葬の余波もあり、隣接地区の東京・大手町の人出も多かったという。書店への来客も同じ傾向で、売り上げも前年に比べて上向いたようだ。そんな中、書店員が注目するのは、仕事や問題解決のゴールを明確に定めてそれを解き明かすための論理構造を明らかにする思考法をわかりやすく解説した一冊だった。

上司のOKが出ない、手戻りが発生する…

その本は中島将貴『構造化思考トレーニング』(日経BP)。著者の中島氏は野村総合研究所で10年以上のキャリアを持つコンサルタントで、現在はグループ会社のブライアリー・アンド・パートナーズ・ジャパン(東京・千代田)に出向し、コンサルティング活動に従事している。若手の指導を担当することも多く、そんな経験を通じて、多くのビジネスパーソンは「重要な論点の見極め方」があまり理解できていないと感じてきたという。重要な論点を見極めるにはちょっとしたコツが必要で、その思考法をドリル形式で独習できるように執筆したのが本書だ。

「いつまでも上司や顧客のOKが出ない。やたらと仕事の手戻りが発生する。グダグダな議論が続く……」。冒頭で著者は「こんな悩みはないですか」と問いかける。そして、その原因は「最初に正しくゴールが設定できていないこと」と「ゴールに向けた筋道が曖昧なこと」にあると指摘し、これを解決する思考法として「構造化思考」を提示する。構造化思考とは一気にゴールにたどり着くのに有効な思考法なのだ。

事例と図を使って、場当たり的アプローチと構造化思考アプローチを比較する導入部に始まって、とにかく解説がわかりやすい。ポイントになるのがゴールとキークエスチョンという概念だ。ゴールとは「誰が」「どのような状態になっている必要があるか」を表すという。キークエスチョンはこれを疑問形にしたものをいう。

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