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早稲田大学ビジネススクールの牧先生

早稲田大学ビジネススクールの牧先生

理系の博士号(Ph.D.)取得者がビジネススクールで学び直ししたら?――。早稲田大学ビジネススクール(WBS)で技術経営やアントレプレナーシップなどを教える牧兼充准教授の下には、博士号を取得した研究者や技術者、医師などが次々集まり、経営学修士(MBA)を取得後、起業家やベンチャーキャピタリスト(VC)などに転身している。サイエンス分野の専門人材は、リスキリングしてどう変わったのか。「牧ゼミ」のオンライン博士座談会をのぞいてみた。

座談会に参加した博士たち

林田丞児さん 米シカゴ大学院でPh.D. 製薬大手を経てセルージョン副社長 
藤尾夏樹さん 内科医、Ph.D. 医療ベンチャーのM-INTを起業、代表取締役
吉田公亮さん 東北大学院で航空宇宙工学修了、Ph.D. 重工大手IHIで勤務
平野梨伊さん 慶応大学院でPh.D. 電機大手で半導体開発に従事後にVCに転身
石上隆雄さん 東北大学院で薬学専攻、筑波大で生物工学でPh.D. 製薬勤務

※牧ゼミ(夜間主)1期生から5期生までの5人

◇牧先生 もともとどんな仕事をしていて、なぜMBAを取ろうと考えたのですか?

製薬会社から再生医療ベンチャーに転身した林田さん

製薬会社から再生医療ベンチャーに転身した林田さん

林田さん 長く有機合成化学を研究してきました。研究生活は15年間に及び、米国の大学院でPh.D.も取得しました。しかし、企業の研究所からある日突然、本社の経営企画部門に異動になりました。財務諸表も知らないから、困惑しましたね。ゼロからビジネスを網羅的に勉強するため、WBSに通い始めました。

厳しい医療現場、課題解決にMBAへ

藤尾さん 私は内科医で、関節リウマチなど免疫系疾患の臨床医や研究をやってきました。超高齢社会を迎え、医療現場は厳しい状況にあります。医療のサスティナビリティを守り、社会課題を解決するにはどうしたらいいのかと悩んでいました。そのヒントを得たいとビジネススクールに行こうと考えました。

牧先生 当時、医師がビジネススクールに通うのは珍しかったのでは。

藤尾さん 確かに同期では私1人ですが、下の期には複数いました。当時はビジネスの知識はゼロで、ステークホルダーという意味も知りませんでした。

重工メーカーで活躍する吉田さん

重工メーカーで活躍する吉田さん

吉田さん 重工メーカーのIHIで発電所向けプラントの強度評価などの研究開発に10年ほど携わりました。その間に研究所内の研究提案活動のリーダーをやる機会があり、組織の中でどうすれば、イノベーションを起こせるのかに興味を持つようになりました。その後、研究部門から本社企画部に異動になりました。そのタイミングでビジネスを本格的に学ぼうとWBSに入りました。

平野さん 僕の場合は、大学院で半導体の研究をしていて、電機メーカーに入社後も研究開発部門を歩みました。その過程で新規事業に携わったり、文部科学省にも出向したりしていました。自分が研究開発した技術をうまく社会に実装できなかったという苦い経験もしました。どうすれば、うまく社会実装できるのか、それでMBAを取得しようと考えました。

石上さん 私は牧ゼミの5期生で、現在もWBSに通っているところです。製薬会社で創薬の研究開発に14年余り携わってきました。40歳になる頃、これまでのサイエンスの知識を活かして、事業開発をやれないかと考えました。事業開発はサイエンスだけで解決できない課題も多く、より高い成果を出すためにビジネスを体系的に学ぶ必要性を感じました。それでMBAに挑戦しました。

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