金融業界への転職トレンドも強い

――金融業界自体から転職を考える若手も多いと聞きます。

「金融業界では50代前半から半ばで役職定年を迎え、関連会社へ出向することが多くなります。大手金融機関では、40代後半からの早期退職制度を積極的に推進しています。それを見て将来に不安を感じる若手が、金融業界を退職する傾向が強まっているようです」

「金融業界の場合、新卒で『この仕事を担当したい』と希望を持って入社する人も多いですが、最初の配属先ではなかなかそれがかないません。理想と現実のギャップに悩み、自分のやりたい仕事や職種を選択し転職を考える人もいます。ゼネラリストではなくプロフェッショナルになりたいという明確な目標を持っている場合は、専門性を身に付けることを優先して、会社を変えることをためらいません」

インタビューに答えるコンシェルの原田美穂さん

――反対に、金融業界への転職動向を教えてください。

「新型コロナの影響で採用を一時中断した時期もありましたが、昨年は採用を再開した企業が多く、今年はさらに増加しています。金融業界で特徴的なのは、全体的に20代後半から30代の若手人材の採用が増えていること。思うように経験者の採用ができないこともあり、ポテンシャルの高い若手を採用し、社内で育てていくという企業が出始めています。今後もその傾向は続くと思います。若手については圧倒的な売り手市場で、優秀な人は3~4社から内定が出ることも珍しくありません」

――今後、金融業界で求人が増えそうな職種はありますか。

「IT(情報技術)、デジタルトランスフォーメーション(DX) 関連以外では、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・企業統治)に関わる人材のニーズが高まっています。ダイバーシティーや気候変動関連対策も含め、企業やグループ全体のサステナビリティー(持続可能性)に関連する企画業務を担当します。専門人材がまだ多くない分野なので、若手も積極的にポテンシャル採用される可能性があります」

「これらは『経営企画』などにポジションが設けられていることも多く、若手にとっては優秀な人材が集まる会社の中枢で働くチャンスとなるでしょう。『堅い』と思われることもある金融業界ですが、バブルの頃のようなモーレツ社員が求められる時代ではありません。リモートワーク体制が進んでいたり、兼業が認められたり、柔軟な働き方ができたりする企業もあります。社風は業界や規模ではなく、マネジメント層の考えによって様々です」

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