――収まりの良さというと?

「試着して鏡を見た時に、いいと思えるかどうかですね。例えば、肉厚なニットを着て、少しでも着膨れするように感じたら控えた方がいいと思います。試着室から出てくるお客様を見ていると、似合っていると感じた時には、自信が表情や身ぶりに出ているのがわかります。収まりがいいというのは、そういうことだと思います」

「柄や凝ったディテールで差がつきにくいベーシックアイテムこそ、直感的な部分を大切にしてほしいです」

――とにかく試着してみることが大切なのですね。

「そうですね。もう一つ欠かせない要素がシルエットのバランスです。ニットを一枚着るだけでは判断できないので、試着する際はパンツとの兼ね合いにも注目しましょう。ニットがパンツに対してゆったりしすぎていたり、逆にタイトすぎる場合は控えましょう。ニットを買いに行くときには、自分が一番よくはくパンツを身につけていくのがいいと思います」

グラフィックTと合わせて遊び心を演出

――今回はニットを使ったコーディネートを3組用意してもらいました。まずはカーディガンを使った着こなしですね。

「STILL BY HANDのカーディガンです。フロントがボタンではなくジッパー式になっているところがユニークですね。シルエットがゆったりしていますが、生地に厚みがないので、上からもう一枚羽織ったり、インナーに着込んだりと幅広い着こなしができるのもポイントです。今回はビビッドな色合いのグラフィックTシャツと合わせて遊び心を出してみました」

ニット 2万4200円(スティルバイハンド)、Tシャツ 5060円(映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』オリジナル)、パンツ7万5900円(ヘド メイナー)、スニーカー 私物

――パンツはどう選んだのですか?

「コーディネートのアクセントとして、フランス発のHED MAYNER(ヘド メイナー)の一着を取り入れました。前面だけでなく背面にもプリーツが入った、立体的なシルエットが特徴です。実は生地にカシミヤが混紡されているので、はき心地も抜群です」

――他ではあまり見かけない独特なシルエットです。着こなしのポイントは?

「腰を落とさず、適切な高さでパンツをはくことですね。ブランドが想定している、最も美しいシルエットを見せることができますから。10代、20代は好きに着崩すことが“かっこいい”とされますが、30代以降の大人は、ブランドの思想を重んじた方がかっこいいと思います」

イスラエル出身のデザイナーが手掛けるHED MAYNERのパンツ。ユダヤの伝統的なテーラリングに着想を得た大胆なシルエットが特徴だ
アウターにはスポーティーなブルゾンがおすすめという。フロントは閉めて防寒対策を。アウター 7万5100円(コントール)

――シューズはコンバースのチャックテイラーですね。

「Tシャツのグラフィックにピンクが用いられているので、それを拾う形でバーガンディの一足を合わせました」

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グレー系ワントーンコーデ 素材感と白Tがアクセント