トレンドに左右されない“普通さ” 素材感を楽しむ一着
「ロング丈よりショート丈のアウターの方がパンツのシルエットをしっかり主張できます。トレンドのワイドパンツと相性がいい点も、ブルゾンの人気が高まっている理由でしょう」
そう話すのは東京都台東区の蔵前にある「WEEKENDER SHOP(ウィークエンダーショップ)」オーナーの芹沢伸介氏だ。選んでくれたのは、「comm.arch.(コムアーチ)」のシャツブルゾン。トレンドに左右されない普遍的な服作りに定評があるブランドの一着だ。

「肩幅、身幅ともに自然なフィット感の一着です。スタンダードなシルエットですが、この“普通さ”が今となっては逆に新鮮ですね。さりげないシワ感と光沢感がある生地は着ていくとデニムのように色落ちしていくのもポイントです。使うほどに味を増す表情も楽しんでほしいですね」
ナイロンを混紡した生地でありながら、経年変化を楽しめるのがユニークな一着だ。コーディネートする際は独特の素材感をどう引き立たせるかがポイントになるだろう。

「太さのあるパンツを合わせると、コーディネートにメリハリが生まれます。さらに主張しすぎない色や素材のものを選ぶと、生地の雰囲気がより引き立つ印象的なコーディネートになりますよ」

肩回りのシルエットが自然 白パンツと合わせてクリーンに
「お客様の中には『ブルゾンはおじさんぽく見えてしまいそう』と不安に思われる方もいらっしゃいます。背中から裾にかけてボリューム感があるシルエットのブルゾンなら、今っぽい雰囲気で着こなせます」
そう話すのは、東京都目黒区の東急電鉄中目黒駅近くにある「Coper(コペル)」の店長、張ヶ谷鉄平氏だ。張ヶ谷氏が太鼓判を押すのは「MANUAL ALPHABET(マニュアルアルファベット)」のジャケットだ。

「肩に縫い目がないパターンや胸に入った切り替えなど、フランス軍のレインコートのデザインをベースにした一着です。アームホールをたっぷり取った、ゆとりのあるシルエットも特徴ですね。肩の落ち方がとてもきれいで、肩回りの体形にコンプレックスがあるお客様からも好評です」
特に後ろから見たシルエットに注目してほしいと張ヶ谷氏は続ける。
「背中に美しい丸みを生むパターンワークが絶妙です。バーバリーのトレンチコートに使われるような艶のあるツイル生地の風合いも上品な雰囲気ですね」


色はサンドベージュ、ブラック、スモークピンクの3種類ある。いずれも人気があるそうだが、張ヶ谷氏のおすすめは軽やかなスモークピンク。コーディネートのポイントも聞いた。
「ナチュラルな雰囲気のスモークピンクには、今季人気がある白のパンツで色のトーンを合わせたいですね。清潔感のあるコーディネートにまとまるので、ぜひ試してほしい組み合わせです」

文:FACY編集部 平野美紀子(https://facy.jp/)

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