10月末に行われた最高裁裁判官11人の国民審査にも注目が集まった。6月の最高裁決定で夫婦同姓を定めた民法などを「合憲」と判断した4氏のみ、不信任投票率が7%台となり、ほかの裁判官(5~6%台)と差が出た。

最高裁裁判官は15人中、女性が2人しかおらず、多様性に欠けている。女性がみな別姓に賛成というわけではないが、私は「男女比率が均衡していれば6月も異なる判断が出たかもしれない」と考えた。今後、政治が世論の変化を直視できるか見ていきたい。最高裁は合憲という判断とともに「夫婦別姓は国会で議論されるべきだ」と政治にボールを投げているのだ。

人と違うことはイノベーションの源だ。別姓を選ぶ家族を尊重できるか。それは前向きな変化を志向する政治に変われるか、という問題につながっている。

スプツニ子!
アーティスト、東京芸術大学デザイン科准教授。インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科、情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA)デザイン・インタラクションズ専攻修士課程修了。RCA在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映した映像インスタレーション作品を制作。2013年マサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教に就任。その後、東京大学生産技術研究所特任准教授を経て、19年から現職。

[日本経済新聞朝刊2021年12月6日付]