違う姓でもいいじゃない?アーティスト・スプツニ子!ダイバーシティ進化論

写真はイメージ=PIXTA
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私の家族は姓がひとつではなかった。父は日本人で、母は英国人。私は父の「尾崎」姓を名乗ったが、母が私の父と出会う前の結婚で生まれた兄は英国人で、「ハガン」という姓だった。名前が違っても大事な兄であることには変わりない。仲は良く、「姓が違うから私たち家族はかわいそう」という感覚は皆無だった。

だから、夫婦が結婚する際に別々の姓を選べるようになる「選択的夫婦別姓」に反対する意見を聞くと、不思議な気持ちになる。「家族の一体感が失われる」「子どもに好ましくない影響がある」という指摘があるが、別姓の家庭出身の当事者としてどうもピンとこない。そもそもその家族が幸福かどうかを周りが判断できるものなのだろうか。

旧姓の通称利用を進めようとする動きはあるが、通称利用には法的根拠がない。パスポートは旧姓併記できるようになった。だが「航空券やビザは旧姓で取れない」などという混乱のエピソードは枚挙にいとまがない。現行の夫婦同姓「強制」制度は夫婦ともに結婚前にキャリアや信用、資産を積み、社会で活躍する前提に立っていないのだ。

現状では結婚する女性の96%が夫の姓を選び、手続きなどにかかわる不利益は圧倒的に女性が被っている。国連が夫婦別姓を認めない日本の民法規定が差別的だとして、何度も是正勧告を出しているのは当然だろう。各種世論調査で選択的夫婦別姓に賛成の人は過半数を占めるようになり、価値観の変化も可視化されるようになった。