スマホでQRコードを読み取りオーダーするスタイル。導入して店の運営コストは下がり、オーダーの行き違いがなくなった

台湾で人気のストリートフード、クリスピー唐揚げも

オルソーの客席は1Fと2Fに分かれている。オーダーは各テーブルに貼られたQRコードを読み取って、各自のスマホから注文する。

「飲食店では1人のホールスタッフが20人を担当するという計算式があって、うちの規模ならホール3人、キッチン3人の6人で回さなければならないところなんですが、4人で回せているので、運営コストはかなり助かっています。注文の行き違いがなくなったことも大きいですね」

店では、クラフトビールや一部のドリンクを除き、飲みものは2Fの冷蔵ケースから客が自分で取り出すシステムになっており、これも少人数のスタッフで回せる大きな利点になっている。

「台湾クリスピー唐揚げ」(700円)はしっかりと味のついた衣がソース代わり。五香粉の香りも品が良い

ワンタンと水ギョーザのほかにも、メニューには人気のストリートフードをはじめ、「旬青菜炒め」(800円)や「豚足煮込み」(700円)、豚肉の唐揚げ「排骨(パイコー)」(700円)など台湾の人気料理が並ぶ。地元の学生たちが放課後におやつ感覚でつまむという「台湾クリスピー唐揚げ」(700円)は五香粉が品よく香る代表的なストリートフード。精肉店の総菜袋に入って登場する演出で、現地気分を高めてくれる。

「魯肉飯(ルーローハン)」(小580円、大700円)は男性を中心にここ数年人気が高い台湾フードだが、オルソーの魯肉飯はご飯に仕掛けがある。白米とジャスミンライスを半々にして炊いてあるのだ。香り米好きにはたまらない一品になっている。骨付きのゆでた鶏がのった「鶏肉飯(ジーローハン)」(700円)や「葱油拌麺」(750円)など、シメも気になる料理が多い。

「魯肉飯(ルーローハン)」(小580円、大700円)にはウズラの煮卵に、花椒が香る大根のしょうゆ漬けと青菜漬けが箸休めに添えられている

ここまできて、植物性のものが足りないなと感じた人には、小菜に「干し豆腐とセロリのパクチー和え」(500円)や「キクラゲの甘酢和え」(400円)など、箸休めにちょうどいい一品も用意されているので、ご安心いただきたい。

今回、筆者はクラフトビールをハーフで2杯と料理4品を楽しんで、3500円ほど。このくらいの価格帯なら月2回のペースで足を運べそうだ。

近藤さんは20代から7年間ホテルのバーに勤務したあと、不動産業界に転職してブランディングを学び、たまたま手伝った肉フェスで飲食の世界にビジネスチャンスを見いだした。今年の2月には東京メトロ丸ノ内線の新中野駅近くに、香港のストリートフードをテーマにした3軒目「香記豚記(ホンキートンキー)」もオープンし話題になっている。男子目線で作られたポップなアジア系飲食店は、まだまだ珍しく、競合も少ない。独走状態はしばらく続きそうだ。

(ライター 伊東由美子)

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